一番最近のご納品は、壁埋め込みスピーカーのLINN Custom2K104CとSEKRIT DS-Iでした。
ご納品したのは300年以上続く会社のミーティングルーム。
お客様をお迎えするスペースに、良い音を・・・というおもてなし道具の1つとして選ばれたのでした。
お客様の会社は伝統ある技術やノウハウを扱う会社で、知る人ぞ知るでよいの、ということで、お写真などの掲載は残念ながらNG。
このお客様との出会いは、まさにこのブログにも書いた忙しかったあの日。
閉店後に迎え入れたお客様が数珠のようにつながったその日の、最後のお客様でした。
SEKRIT DS-IとUNIKを聴かれ「これはなんでこんなにいい音がするの?」と仰られた翌週、竣工が迫っているので!と現場の設計士さんが大慌てでやってこられ、あれよあれよ、とシステム導入が決まったのでした。
オープン前ということで、ご準備に忙しいオーナーでしたが、
セットアップ完了して音が出た瞬間、話を中断して
「これはあの時に〇〇で流した曲よ。その時に『この音楽の名前を教えて下さい』って聴きにきた人が居たじゃない」
「これはラビンのお葬式でかかっていた曲だわ。私の横に居た人は『この曲は僕の結婚式でかけたんです』と言ってた。結婚と葬儀とどちらにも使われるのよ、不思議ね」
「あー覚えているわ。これは××のとき」・・・と次々に思い出を語られます。
スタッフの方があらかじめ用意したNASに入っている音源を、
ランダムに選曲したにもかかわらず、どの曲もすぐにオーナーの記憶の中の情景とリンクするのです。
・・・
本当にいい音だわ。
オフィスに居るよりここにいたくなっちゃうな。
この音楽をこんな風に聴けるなんて。
・・・
スタッフの方々から発せられた言葉と、心からの笑顔。
1492 Conquest of Paradise: Music of Vangelis
これは、ラビン首相の葬儀と誰かの結婚式で使われたと言う曲が収録されるアルバム。
私の中には「伝統ある場所におさめられた最新のシステム」という幸せな融合の記憶として残るのかもしれません。