
弊店は13時開店なのですが、11時前から店の準備をしています。(半分は納品に出ている)
今朝は並木通りも静か。私も静かな気持ちで出社。
こういう日は、配線をし直しながら、スピーカーの普段忘れがちなところをお掃除。
ヴィンテージのスピーカーならこういう縁取りのところとか、現代ものなら、スタンドの底板とか、スピーカーケーブルとか
普段忘れているところですがちょっと乾拭きするだけでも、なんだかいいことをした気持ちになります。
むかし銀座百点に女優の名取裕子さんが寄稿していたと思うけれど、お掃除が苦手な名取さんに、お手伝いさん(みたいな方)が、とりあえず蛇口などだけでもピカピカに磨いておけば綺麗に見える・・などの助言をしてくれたという記事があって、掃除をしているといつもそのことが思い出されます。
毎日ぜえんぶ磨き上げるのは難しいけれど、ちょっとポイント抑えて綺麗にする、とかそれを徐々に場所を変えていくとか、そんなことで随分自分の気分がよくなるものです。
キャビネットを乾拭きしていて、あらためて溜息が出るほど美しいJBL Harlan。先日ふらっといらした方が「こんなに音がいいのに、数があまりないというのはどういうこと?売れなかったということではなくて?」と言われました。
これは1954,5年くらいのものらしいのですが、きっと作るのが大変で量産できるものではなかったんだと思います。この屋根のテーパーがかかっている部分や、サイドの柱を上から下に向けて斜めにカットしてあるところ、幅があり低めのキャビネットは下手すれば不恰好になるところですが、こうした繊細な造り込みが、この形をチャーミングな美しさとして昇華させていると思います。
ですが、このラインを出すのだって、結構職人技。大変だったことでしょう。この庇のテーパーがじつは緩やかなホーンになっていると思うので、あまり角度が違って個体差があっても、、ねえ。
音の出ていないスピーカーと向き合いながら、なんだか良い朝を迎えました。1週間、1ヶ月の始まりです。
・・・
今日は窓辺に置いたガラスの招き猫さんも水浴び。暑そうだし、新しい月になったから、水に流してまた新しい空気を招いてね。
(竹田)