下ろしたてのハイヒールを履いて出かけたある日。
「あ。ちょっと気取っていて入りにくかったあの店に行ってみよう。」
もちろん普段使いの店にも寄り、スーパーにも寄り、
両手に荷物を抱えながら、帰る道すがら思います。
「この靴どのくらい先まで履くかな。靴って消耗品なのか。それとも・・」
私には、銀座1丁目のUNION WORKSという強ーい味方がいるので、
メンテナンスによって、「消耗品」と一言で済ますことはできないくらい長く履くことが出来るでしょう。
それで、お客様の話を思い出します。
「ぼくはね、カートリッジはMMのままでいいんだよ。
毎日5時間、時にはもっと聴いていると、針先がどうしても消耗するんだよ。
ぐっと音が生彩なくなっていくのがわかるんだから。
だから、針交換しても負担にならないADIKT(LINN MMカートリッジ)で十分なんだよ。
気兼ねなくいくらでも聴けるし、あ、消耗したなと思ったらまた針交換すればいいんだもん。
だからね、MMでいいんだ。」
アナログにおいて針先は、まさに「消耗品」。
何となく自分のコンバースのスニーカーを思い出します。
納品の日、掃除をするぞ!という日、今日は歩くぞという日、
晴れていても、雨が降ってもあまり気を使わなくていい、
オフホワイトのコンバース。
汚れたら洗って、また洗って、
どうしても汚れが落ちなければまた買えばいいか・・という気楽さ。
向かいにABCマートありますしね。
ん、じゃあKRYSTAL(LINNの大変評判のよいMCカートリッジ)は、ハイヒールかも?
ちょっと大切に気を使って使うけど、ハイ&ロウどこへも行けるし、
レンジが広くて、えっと、情報量が多いって言うのは色々なところ行くからそれで・・
・・まぁ、たとえに無理があるな。
KRYSTALの評判
前述のお客様が1度目の針交換をした数ヶ月後、
針の汚れの取り方に良い方法を見いだした!とご連絡を頂きました。
何をやってもとれない汚れは、Flux Hifi Sonic(独製振動型スタイラスクリーナー)(※)を使えばとることが出来て、
しかも、針交換して、もう使えないと思った針もこれでやってみたら、かなり聴けるとのこと。
※ 弊店でも取り扱いあり。25,000円です。
・・・それで思ったんだけど、こんなに針が減らないなら、
やっぱりKRYSTALにしてみようかな・・。
・・・ということで、納めた次の日、
「KRYSTALはすっばらしい・・・。何をかけてもOK。絶品のカートリッジ」
その昔、30年くらい前?
アナログの調整のあまりに神経質な所に嫌気がさして、CDへ移行したお客様。
その後、時を経てSPとネットワークプレーヤーだけでいい。
と頑にアナログに手を出さなかったのですが、ひょんなことからLP12を手にして半年。
「昔は、本当に針がよく減ったんだけどねー。
LP12はセッティングも任せてしまえばやることないし、本当に安定していて音楽に没頭できるよ。」
LINN JAPANのFさんは、
「ウチのターンテーブル、回転が正確ですから、そんなに針も減らないと思います。
スポーツのボブスレーみたいなものですよ。」
との説明があり、深ーく納得。
ハイヒールも、歩き方がよければ、踵減らないのよね・・。
と、どうしても自分の思いつきと話をこじつけたいワタシ。
靴もカートリッジも消耗品か否か・・
消耗品の領域ですが、使い方によっては、かなりながーーーーく使えるということ。