「環境問題」って言葉は、目の上のたん瘤みたいなところがあります。
取り組まなきゃいけないのに何をしたらよいかわからない。
「できることから」として、スーパーではマイバック持つとかもちろんいろんなことがありますが、
オーディオは、電気も使うし、機材も高いし、とっても環境問題とは遠いところにいるような気がして、後ろめたかったりもします。
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先月、アナログ誌の悦楽人の取材のために編集さんに同行してお客様のお宅へ伺いました。
メインシステムで、Brodmann、SELEKT DSM KA、MAJIK LP12を組んでいらっしゃるお客様で、
シンプルなシステムの背景には、これまでのオーディオ歴があり、揺るがない音楽愛があり、様々なお話しを伺うことができました。
納品の折というのは、システムの説明だとかで慌ただしく、中々ゆっくりお話しを伺うこともできないのですが、
きっとどのお宅でも眼前のシステムに至るまでに様々なストーリーがあるんだなぁ・・としみじみしたのでした。
多岐にわたるお話の中でとりわけ心に響いたのが
「レコードって、誰しも捨てることはないじゃないですか、きっと。」
その昔、アイドルの握手券の取得を目的に大量に買ったCDは捨てられ・・と言うニュースを私も見たことがあり、ビックリマンチョコのシール集めも然りでしたが、そういう販売方法を選択した作り手側へ嫌悪感を抱いたことがあります。
お客様もそうした話を見知って驚かれたそうですが、レコードは自分の手に負えなくなったら、人にあげたり売ることはあっても捨てないんじゃないかと。多分自分も人に渡していくであろうと。
そうすると、何十年も前でも劣化することのないレコードが、また市場に戻って誰かの手に渡って大切にされるって、それこそモノのありかたとして理想だなと。
(CDは大切にしていても残念ながら劣化しちゃうけどレコードは傷がついても、傷のないところを聞いている人はたくさんいらっしゃいます)
お客様は、アナログを再開するにあたって、LP12を買うならクラシックやJAZZを聞かなくちゃと思われたそうなのですが、
LINNの技術の人全然聞いていないですよとお伝えしたところ、ただただご自身の好きなものだけを集めることにされたそうです。
お部屋の一部が腰の高さくらいになっている空間に、取材の日のために並べてくださったお気に入りのレコードたちを見ていると
「こう並べようかな、こっちはこれ・・」と楽しそうにレコードを愛でるお客様の姿が浮かびます。
Discogsという海外の通販サイトで昔持っていたお気に入りを見つけては購入するが、待てど暮らせど中々届かない。
忘れたころに届くのだけど、プレゼントだと思って・・。
そんな風なお心持で手元に届いたレコードはさぞかしいい音を聴かせてくれることと思います。
モノとの付き合い方、音楽の楽しみ方、様々な「目からうろこ」をいただいた1日でした。
メインシステムは、まもなく発売の雑誌アナログで素敵に掲載されますので、
「若い人や初めての人に勧めたい」と言ってくださったセカンドシステム
PIEGA ACE30とNuPrime IDA8の写真を・・。
(竹田)