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先日、久しぶりに松本に帰ってきました。
急に帰省することになったので、ゆっくりと過ごすことは出来ませんでしたが。

81306024007785[1]私の育った町は長野県松本市。
国宝松本城がある城下町で、戦災から逃れたこともあり、旧開智学校(重要文化財)などの歴史的建造物が多く残る
情緒風情ある街です。
大きなお城ではないですが、別名「烏城」とも呼ばれ日本に4城しかない国宝のひとつ松本城を中心に、城下町ならではの歴史や民芸文化が感じられる、とてもきれいな街並みです。

近くには上高地や乗鞍岳、槍ヶ岳、常念岳などの北アルプスにもアクセスが良く、自然を満喫できるところでまあります。
松本市から眺める 冬の北アルプス連峰は本当に綺麗です。

文化を尊重する気風があり、皆さまもご存じの「サイトウ・キネン・フェスティバル」も1992年から行われております。

生まれてから高校を卒業するまで、そんな松本市中心部から北に5km程いったところにある浅間温泉という小さな温泉街で育ち、青春時代を過ごしました。

今となれば、東京に出てきてからの方が人生の中で長い年月を過ごしており、年に1度、実家のある松本に帰ればいい方です。
ただ、両親は現在、松本からさらに北にある安曇野市に住んでいるので、松本に行く機会も最近ではめっきり少なくなりました。

そんなこともあり、松本の町を少ない時間ながら、散策することは本当に久しぶりでした。
生家に行く前に、買い物の人々で賑わう中心街、松本城、中町(蔵が多く立ち並び民芸品やお土産物、名産の御蕎麦屋さんなどが多く立ち並んでいます)を通り、女鳥羽川(めとばがわ と読みます)沿いを北上すると浅間温泉という小さな温泉街になります。

浅間温泉の開湯は約1000年前で、江戸時代には歴代の松本藩主の御殿湯が置かれて、湯守によって厳重に管理されていたそうです。
今は、約30件の温泉旅館と2件の日帰り入浴施設があるそうですが、子供の頃は、もっと多くの旅館と人で賑わっていたかにも思いました。
温泉街を山肌に向かって歩いていくと、神社とお寺があります。
この神社は「御射神社 春宮」で毎年10月3日には日本三大奇祭の一つとも言われる「松明まつり」が行われています。
松明まつりは五穀豊穣と人々の安泰を願って行われる奉納行列で、里の春宮にいた氏神様が収穫後の麦わらで作ったたいまつの煙に乗って温泉街を通り、奥の秋宮に帰るとされている祭りです。

この時は、温泉街に人があふれ、その中を大きいものでは高さが3メートルにもなる松明が火を灯しながら、炎々と煙を立ち上げて練り歩くのです。
子供の頃からこのお祭りが楽しみで、小学生でも夜更かしをしていい、屋台で好きなものは買える、少しぐらいならお酒も飲んでもいい?と暗黙の町になるのでした。

そんなことを思い出しながら、御射神社 春宮の近くを歩いたのですが、もう何十年ぶりのことでした。
春宮のすぐ脇を小川が流れていて、良く沢蟹を取ったりして遊んだものでした。
何十年ぶりに見た小川や道並みが凄く小さく見えてしまいました。
温泉街には昔のお店がなくなっていたり、もう40年以上も続いているお店も健在であっり、小学校の時の同級生の家の前を通り、いま何をやっているのかな、と思い、町が変わったりしていましたが、自分が育った町と思い出は変わらないのでした。

三浦 祐士

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