ぼんやり聴いていたオーディオでしたが、自分の好みがはっきりするうち、セットアップされたシステムでも何か手を加えたい衝動が出てきます。
家でももちろんですが、やはり店には色んなものがあって、音も大きく出せるし、セッティングにも色々な要素がある。
記憶している良い状態の音と異なる時は、何かしら手を加えたい。
でも、スピーカーの位置を動かすには、ガタが出たり、水平を取り直さなきゃ行けなかったり、元にうまく戻せるか不安だったり、いろいろリスクが大きい気がして、スピーカーは触りたくない。
そこで、「私でも出来ること」を探します。
最初は、ありとあらゆる「緩みを締める」ことに専念。
QUADRASPIREのラックのポール
スピーカーやパワーアンプの端子ネジ
スピーカーのスパイク
スピーカーケーブルの端子が緩くて、スピーカー端子にグズグズするようなら、LINNのバナナ端子の切り込みをカッターで開いて、カッチリ締まるようにしたり
繋げていないスピーカーのガタをとり、果てはドアの蝶番のネジまで締めていました笑。
ドアはともかく、それ以外は確実に再生音のS/Nが上がって行くのを聴きながら、スピーカーが音の発源だけど、それが伝わって共振し、その共振が音に乗って耳に届くことも知りました。
ちなみに、これらはカッチリ締めてもOKですが、スピーカーのユニットを力任せに締め過ぎてはいけないことも知りました。
力の限り締めていところ、適度な締めでないといけないところ。
(スピーカーユニットの増締めは、基本的にはトルクレンチを使って、設定値に合わせて締めます)
その次にはまったのが、「吸音」。
ネジを締めているうちに、窓ガラスのガタガタ言う振動が気になるようになって、それを抑えるべく、防振テープや鉛テープや、色々なものを使ってみました。
ただ、これらは意外と振動を抑え過ぎて高域が寂しくなっちゃったり、艶がなくなったりするので、代わりに流行ったのが「革」をはる。
このあたりから、セッティングに使うものが、革や布などの天然素材になっていき、また、吸音のし過ぎがいかにつまらない音にするかという体験から、吸音も少なめから始め、なるべく癖のないものを使うようになっていきます。
音の判断としては、どこかがよくなったとしても中域が引っ込んだり、低域が減った段階でOUT。
そのかわり、よくなった部分を手がかりに量を変えたり、素材を変えたり。
まぁ、真面目な(?)A型は、「これがよいのだ」と思えば突っ走るので、大抵やり過ぎの大失敗をして、途中までよかったのに、「なんじゃこりゃ」という結果をもたらします。
試聴室にこもっている時はアブナい。窓の桟全部に革のテープをはって、低域が減り過ぎで、怒られたことがあります笑。
なにより、音の判断は最初の頃からできたわけではないので、こういう大失敗は数多く、それが経験値として、後によかったと思います。
スピーカーを動かすのはこの頃まだ恐れ多く、これがセッティングのはじめの一歩なのでした。