入社して3、4年経ったころ、手にした初めての「ハイエンド」機器!
※これまでのオーディオ遍歴は、よろしければ過去の記事をご覧ください。
この頃には、だいぶ頭がオーディオバブルになってきていたと思います。
20万円はオーディオでそんなに高くないみたいな・・。
洋服でもカバンでもそんな値段の買い物はしていなくても、オーディオではできちゃう。
(その1で買ったシステムのクレジットローンの終わりが見えてきていることも。)
そんな中でハートを持っていかれたスピーカーが登場しました。
PIEGA TC10X。
今でいうハイエンドブックシェルフの先駆け・・ということもないかもしれませんが、当時2008年、100万円近くするブックシェルフスピーカーは今のようにあっちにもこっちにもはなかったように思います。
それだけ値段出すならやはりフロアスタンド・・ということもあったでしょうし、そんなに人気がなかったと思います。
自分はフロア型よりブックシェルフの音が好きだということが完璧に浮き彫りになったのはこのスピーカーとAKURATE212がきっかけだったように思います。
発売から半年近く経ったある日、そこにフッと人が立つのを聞いたのです。
それがTC10Xの音との出会い。
今のPIEGAに比べると、キャビネットの剛性やネットワークはまだまだだったと思います。
なので、音楽の得意不得意は、今よりずっと多かったと思います。
でも、「魔性」ほどは押しつけがましくないのですが、夏目雅子さんの「美人薄命」というイメージに通じるようなもの。
あやうげな感じの美音?ただの綺麗じゃない、でもエレガントで気品がある・・そういう魅力があって、すっかりはまってしまいました。
一方で、オーディオの世界に足を踏み入れて、やっと3-4年だけど、このスピーカーを持つことが、オーディオを語る免罪符になるような気分もあったと思います。
今は亡き菅野沖彦先生に、お店でのイベント時お話しする機会を得て、畏れ多くも、PIEGAを買ったことなどをお話したことを覚えています。その後、レコード芸術のオーディオ紹介コーナーで、先生が執筆された記事にTC10Xが登場して、ブックシェルフでずいぶん高いけど、これがいいという人もいるんですよ、というようなことを書かれていて「私のことでは!?」と胸をときめかせた!?のでした。
このスピーカーが良く売れたかというと、疑問があるのですが、この次に出た後継機よりもこの危うげな感じがたまらなく好きでした。
現行のCOAX311は、そういう危うさはなくなっているけれど、確かにTC10Xの系譜はあるように思います。
PIEGAって、あの頃よりもずっと鳴らしやすく、パッと聞いても魅力的な音になりました。
(TC10Xの魅力は気づかれにくいと思う)
その後の遍歴の一環で、今はもう手元にないのですが、今のアンプやプレーヤーで聴いてみたい、もう一度会いたいスピーカーです。
そして、同じタイミングで、購入したのがLINN AKURATE DS。
これは、もう、割と大変なクレジットローンでしたが、この頃実家暮らしだったので可能だったのですね。。
DSは、2007年の秋にKLIMAXが登場して、それがまさに世の中に初のネットワークプレーヤーで、要はすべての人にとって、それがスタートだったのです。
私にもチャンスがやってきます。
レコードプレーヤーも、スピーカーも、アンプも何もかも、最初から既に世の中にあって、経験値などお客様のほうがあるくらい。
だけど、DSは一緒にスタートが切れる!しかも当時は使い方が難しかった。
KLIMAXリリースの翌年2008年2月、AKURATE DSが発売されます。
いち早く買わねば!自分で使わなければ!と思って買ったのでしたが、もうちょっと待てばMAJIK DSが出たのですが、ね。
でも、早く使い始めて、LasieのNASを立てて、EACでリッピングしたりして、色々難しいと思いながら家で使ったことは、よかった。
やっと使いこなせるようになるにも結構時間がかかりましたが、そのうちトラブルシューティングを目的とした「DSあれこれ」というページを作るようになります。
この仕事で初めてオーディオのことで店で説明できる(テクノロジーというより使い方がメインだったけど)。
それには高くても安い買い物だったのでした。
うーん、やっぱり高かったけど。。。
自分の中で、趣味と仕事がタッグを組み始めたころのことでした。
(竹田)