先日より美術館づいております。
マネ、ルーシー・リー、オルセー。
毎週のように出かけておりました。
国立新美術館は、珍しい火曜休館のため、おちおちしていると終わってしまうので、店が月曜休みの時に「行かねば!」です。
(ルーシー・リーは結局最終日の月曜日だったし、あぶないあぶない。)
つい先日の月曜のオルセーは、雨だから・・・なんて出かけたら、考えることは皆一緒で入場するまでに20分待ち・・・。
私は美術館に出かけたら、あまり時間をかけません。
「見たい絵だけ観る」に徹底しています。
あとは、遠目でぐるっと見渡して、光っている絵、オーラのある絵。
・・・
なーんて、格好いいこと言って、じつは予習してから行くのです。「芸術新潮」で。
「今年がよい」のか、「私のアンテナがこの方面に向いていた」のかわかりませんが、結構よい経験値ヒットポイントが増えたように思います。
以前も美術館には出かけていましたが、とりわけ好きか、とりわけ興味があるかのどちらかだった?
実は、上にあげた3つとも、そこまで興味が深かったわけではありません。
マネは印象派だと思っていたし、ルーシー・リーは「かわいい陶芸」くらいにしか思っていなかったし、印象派の絵は「分かりやす過ぎてつまらない。もう卒業!」とさえ思っていました。(ヒドイ・・・)
3か月前の「不思議なマネ」というマネ特集の芸術新潮を手にして、私の浅く適当すぎる知識とはまるで遠く、かなり面白い画家だということが分かり、また知ってか知らずか結構色々な人に影響を与えていた重要な人だったということも知り、興味をひかれ展覧会に出かけたのでした。
そして、マネを知らずともあの美しい絵を目にされた方は多いかと思いますが、「すみれの花束をつけたベルト・モリゾ」は一瞬の光をとらえて描かれたような絵で、展覧会の中でも異彩を放っていました。そよ風のように爽やかで優しく、永遠の一瞬。
会場が狭いので、混んでいる日は滅入ってしまいそうですが、遠目でも実物は本物の何倍もオーラがあって、美しい絵でした。
「芸術新潮」があれば、展覧会は何倍も面白い、ということに今更気付き、ルーシー・リーも、オルセーもそのようにして観に行きました。
ルーシー・リーも見に行ってよかった~!これは「芸術新潮」なしにはおそらく行っていなかった。
雑誌で見て想像したのと実物の大きさが全然違うのはびっくりしましたが、晩年の円熟期の作品は、陶器の肌合いがなんとも言えず美しく(それしか言えんのか~!という感じです。ボキャブラリー貧困。)優しい色合いながら凛とした姿、意外に大ぶりながら細やかな配慮、繊細と強さの両方が感じられる作品の数々に、「かわいい陶芸」なんて失礼もいいところ。ものを知らないというのは恐いもの・・・と思ったのでした。
オルセーは・・・、これまた書きたいことがたくさんあるので、ちょっと次回に先送り。
興味をもたれた方は・・・
三菱一号館美術館 マネとモダン・パリ 7月25日まで
国立新美術館 ルーシー・リー展 6月21日で終了
(8月7日から9月26日まで益子陶芸美術館にて開催とのこと。スペースの都合上、東京展の展示と全て同じではない模様。)
国立新美術館 オルセー美術館展 8月16日まで
芸術新潮はバックナンバーも販売しています。
(竹田)