そもそもの発端は、JBLのパラゴンのレプリカ品、「ミニパラゴン」をお持ちのお客様の一言でした。
「ぜんぜん鳴らないんだよね。やっぱり大きさ的に無理があるんでしょうか?」
それを聞いて興味をそそられた当店スタッフが
「ぜひこちらで調整しましょうか?任せていただけるのであれば、こちらで鳴るようにやってみます!」
・・・という流れで、始まったこの「ミニパラ・プロジェクト」。
お客様のスピーカーを調整するにあたり、色々実験が必要ということと単純な当店スタッフの興味で、同キャビネットを3個用意して、製作がはじまりました…。
==============================
まずは、Mini Pargon オリジナルのユニット(ツィーター、ミッド、ウーファー)のうち、まずウーファーの換装から始めました。
・ウーファーをフルレンジのRFTに変更。
→音のキレ、広がりともに、大幅に良くなる。
(内部配線、キャビ内吸音は変更せず)
・オリジナルのウーファーよりも、RFTの本体寸法の奥行きが大きいため、背板にあたってしまう。
→他の調整(ツィーターやドライバーの変更や、内部配線等)が後に控えていたため、いったん背板は外したまま調整続行。
◆オリジナルミッドの調整
・RFTがマウントされたことで、ミッドの粗雑な部分が目立つように聞こえる。まずはコンデンサーを変えて様子をみる。
UNICON(オリジナルコンデンサー)→Jantzen Audio(青)※抜けは良くなるが、ドライバー自体のクオリティーの低さが目立つため、換装することに決定。
・SB Acoustics/SB29RDC-C0004,TB Speaker/28-1177SBと2種類候補があり、キャビネット上部に置いておこなったテストでは、いずれもオリジナルよりヌケが良く、伸びやか。
ドライバーユニットは狭い取り付け条件のため、寸法的に「SB Acoustics」に決定。
[SB Acoustics] SB29RDC-C000-4
29mmリングドームツィーターユニット
再生周波数:2,000Hz~35,000Hz
推奨カットオフ周波数:2,500Hz以上(2nd~)
Fo:600Hz
インピーダンス:4Ω
音圧レベル:93dB
ホーンとキャビ内壁の間が45mmしかないため、小型(薄型)のSB Acousticsに。
◆ドライバー変更の際の問題
・オリジナルからSB Acoustics(以下SB)に変更することは決定。
オリジナルユニットは20mm○振動板、SBは29mm○のため、取り付けにはひと工夫必要となりました。
ホーンとSBの間に、リング状の木材をかませて取り付け。
内部配線を変更する際、ホーンとSBにガスケットを装着。鳴きをおさえてしっかりと固定する。
◆背板の取り付けと内部吸音
・RFTの奥行き寸法がオリジナルよりも大きいため、mini Paragon本体後ろにはみ出る状態。
→結果的にはRFTでエネルギーが増した分、背面の隙間を利用して、音の抜け道をつくり、よりヌケが良くなる。
◆内部配線の変更、ツィーターの取り外し、他
・RFTには、WESTERNのより線(○mm)+単線を使用。
・SB(ドライバー)には、WESTERNより線(○mm)を使用。
・バナナ、Y端子などが使いやすい、SHARK製スピーカーターミナルへ変更。
・他スピーカーでの実験結果の良い吸音材(ポリ100)に変更。
・SBに使用するコンデンサーをJensen(赤)に変更。→静けさ、伸びやかさ、スケール増大
・オリジナルツィーターは、内部配線を外すだけでなく、ユニット自体を取り外す。(角度可変型のため、ガタやピリつきによってクオリティーが低いため)
==============================
こうして出来上がった試作品、第1号は、2丁目のLegatoへ持ち込み、現在、さらに調整中です。
>>>>SOUNDCREATE Legato一言ブログ
第2号のmini Paragonには、RFT(フルレンジ)ではなく、ウーファーを変更して試す予定で、 オリジナルJBLウーファー用の取り付け寸法とは異なるユニットでも対応できる木材パネルなどを準備中。
それにしても、この外観でこのクオリティー…素晴らしく楽しいスピーカーです!
3台限定 すべて完売