一年ほど前、オーディオを本格的にされたいとご来店されたのが、F様とDSとの出会いでした。
今では、DSを中心に、メインシステム&サブシステムでLINN、PIEGA、ソナスファベールなどでのミュージックライフを楽しまれています。
つい先日、F様と別のお話をしていた際に、
「TANNOYのヴィンテージって、何かありますか?」とのご相談。
DSが良くて、現代の最新のシステムとヴィンテージの組み合わせに興味があるとのことでした。
ちょうどその時期に、いつもお世話になっているアトリエJeTeeさんから、TANNOY完全英国オリジナル(モニターゴールド)が入荷することを聞いていたので、ご紹介させていただいたところ、お客様からも、「ぜひ聴きたい!!」とのことで、入荷したらアトリエJeTeeさんのアトリエで、ご試聴しただくことになりました。
イギリスから到着したその夜、無事に入荷したとの知らせに、当店スタッフはセッティングがてら聴きに行きたい!と
ぞろぞろとアトリエにお邪魔いたしました。
「…スゴイ。こんなに綺麗なの?!」素晴らしい外観、佇まい。
下記が、TANNOY完全英国オリジナル(モニターゴールド)の証明 だそうです。
①キャビネット右側裏に押されたスタンプ
これは後期モデル(ゴールド入り最終型)の証拠。
ちなみに、初期モデルのゴールドにはステッカーが貼ってあるそうです。
②ホーン部分の2段階になった傾斜の1段階目が、ストレートではなく、ゆるやかな傾斜になっている。
音にも大きく影響していることを実感。尖りが無く豊かで大らかな鳴りをします。
③ユニットを止めているネジがインチの六角である。
④オリジナルのキャスターがついている
ボールキャスターで、物凄いスムーズに静かに動きました。
⑤天板の薄さ
キャビネットはやはりオリジナルですから、響きの素晴らしさといったら!
⑥オリジナルのサランネット
かなり状態のよいサランネット。これももちろん当時のものでした。
TANNOY の完全オリジナルは、日本で20ペアに満たず、中でも状態のよいものは10ペアくらいだとか。
当時「家を買える」と言われたくらい、高価でなおかつ価値が高く、希少なものだったのです。
==主に試聴した曲 ==
・バッハ チェロ無伴奏(リプキン)
・CANTATE DOMINO
・アンナ・ネトレプコ(ソプラノ) 「オペラアリア」より数曲
・チョウ・キョンファ(ヴァイオリン)「Con Amore」より数曲
CANTATE DOMINO のオルガンは圧巻!!
足下まで埋まってしまう低域の漂いのなかに、声が入り、合唱が入り…、上から下まで美しく伸びやかで、大らかで豊か。
今回スピーカーを部屋の真ん中に置いて鳴らしているにもかかわらず、ヴァイオリンにしても声にしても、低域の響きが豊潤で、出てくる音に尖りやきつさが全く無いのです。
これ、コーナーに置いて壁に近づけたらどうなってしまうのだろう、というほど雄大な景色に。
バッハのチェロ無伴奏曲は、本物のチェロ以上に本物らしい胴鳴り。
響きが空気中に溶け込む感じが美しく、どの曲においても質感が素晴らしく良いのです。
こんなTANNOY Autographは聴いたことがありません…。
英国オリジナルとの差を感じました。