LINNのもっとも売れているアームAKITO(今はヴァージョン3)
LINN のトーンアームのよいところは、端的に言えば、
・頑丈で滑らかに動く
・ショートタイプのアーム
この2点です。
えっ!?それだけ???
そんな単純なこと、どのアームでもそうでしょう!
遠くに聞こえるそんな声はごもっともですが・・・
もともと、アームは
・カートリッジをしっかり支えないといけない
・針先がレコードの溝をたどるのをさまたげてはいけない
・・・という両立させるのが大変困難な役割を担わされています。
こびとになって、アームの根元に立ってみて下さい。
ショートアームのAKITOにしても、針先はあんなに遠くにあります。
シーソーの原理で、棒の支点のあちら側とこちら側が同じ重量であれば平衡を保てます。
支点が中心から外れていて平衡を保つには、双方の重量に差をつけねばなりません。
つまり、アームにしてみたら、こんなに支点が端に有るので、カウンターウエイトを調整し針圧分だけこちら側を軽くして安定した針圧を加え続けているのです。
回転の中心をしっかり定めて支えているのですから、結構な力持ち。
しかも、力だけならまだしも、針先はものすごく細いレコードの溝に沿った微妙な動きに滑らかに追随して動けるようにしなければならない。わけです。
偏芯や反りもある様々な盤面について対応することを求められているトーンアームは大変な働きを何食わぬ顔でこなし続けている・・・。
動くところと動かないところを明確にして高音質を実現するLP12 の構成要素として、素気ないルックスのストレートアームも実は色々なノウハウがかたちになっているのね、ということを知り、ちょっと尊敬。