音響技術と音楽芸術の融合をブランドのフィロソフィーとし、
いくつもの傑作を世に送り出している「JBL」。
歴代のJBLスピーカーの中でも3傑作と言われる、
「ハーツフィールド」「パラゴン」「オリンパス」。
今回ラウンジに入荷した希少な名機は、
60年代初頭・初期型で、通常の仕様とは違い ウーファーユニット1発、ドロンコーンなしという「C50 Olympus S8」。
1960年、ステレオ時代に誕生したこの作品は、
リビングに2台置いても物々しい様子もなく、
自然に部屋にとけ込みます。
優しい暖かさを感じさせる組子細工のグリルは、
釘などを使うことなく、全て手作業で作られた伝統技法。
日本の技術が取り入れられている・・・という噂もありますが、(※STEREO SOUND「大型スピーカーの至宝」参照)
誰がデザインを担当したのか、どこで作られたのか確かではありません。
ちなみに、グリルは布製のものと2パターンあるそうですが、
この組子細工は、モダニズム建築を思わせるようなオリンパスのエンクロージュアと
なんとも美しく調和しています。
スピーカー方式は2ウェイ、密閉型。
ユニット構成は、低域:LE15A、中高域コンプレッションドライバー:375+HL93、ネットワーク:LX5。
スピーカーがモノラル時代の大型1台から小型化した1954年以降、
ARに代表されるアコースティック・サスペンション方式が考案され主流となりました。
それに対抗し、JBLは新しいエンクロージュアとスピーカーユニット「LE(ロー・エフィシェンシー)シリーズ」を開発。
群を抜く高性能ユニットとして周知されました。
今回入荷の Olympus に搭載されている LE15A はとても珍しいブルーフレームユニット。
深さ、奥行きのバランスが良く、自然で切れの良い重低音。
低音再生能力の素晴らしさを感じさせます。
最強と言われる、とても繊細でハイクオリティーのコンプレッションドライバー375は、
他では味わうことのできない、安心感のある充実した中高域再生を実現。
この技術は、現代の最高級システムにも受け継がれています。
素晴らしい音楽を奏でる理由はまだあります。
ウーファー1発、ドロンコーン1発のオリンパスに比べ、
ウファー1発のみは、コンプレッションドライバーとウーファーが一直線に配置され、非常に繋がりが良く鳴らしやすい。
実はここが最大のポイントなのです!
音楽の熱い息吹が今ここに!
(Shige)