本日のイベントは、クロサキ教授のオーディオ哲学サロン第二回。
弊店お馴染みの哲学者黒崎先生のオーディオサロンと称してのイベント。
ゲストは何と、世界的なトラヴェルソ奏者の有田正広氏でした。
有田さんご自身の演奏されたレコードを聴きながら、演奏家がオーディオを通して自身の演奏をどのように聴くか、哲学的&音楽的に非常に興味深い会でした。
システムは、Tannoy Autographの英国オリジナル初期型モニターゴールド搭載、PIEGA Master linesource2、Brodmann VC7の三者三様のスピーカーをOCTAVEのフラッグシップJubilee pre、Jubilee monoで鳴らすという豪華システム。(もちろん、アナログはLINNの最高峰Klimax LP12に最新型のフォノイコURIKA2搭載と、Klimax DS)
有田さん、黒崎さんの友情もあり、とても穏やかで楽しい中会が進みました。
そして、私個人としては改めてオーディオの重要さを考えさせられることに。
有田さんが、トラヴェルソや現代フルートなど、それぞれ演奏の仕方が全く異なるにかかわらず、幅広く枠を持たずに演奏される…というお話から、「違いを不自由と考えるのでなく、違いをを楽しんでほしい、と生徒には話す」というくだりがあり、まさにオーディオにそのまま当てはまることと、深く頷きました。
今日の三種のスピーカーは、それを体現してくれて、豊かな響きのTannoyを黒崎さんが好み、精緻な描写のPIEGAを有田さんがいいと言い、それぞれの魅力を認めた上で、両方持ち合わせたらいいのにという流れの先に鳴らしたBrodmannを「これ、いいね!素晴らしい!」と言う有田さん。
ご来場されたお客様も皆様それぞれお好みが分かれたようで、それこそがオーディオの楽しみと思うのでした。
加えて、私たち、演奏者の息継ぎや、足踏み、観客の咳払いが聞こえることを、オーディオの装置に求めがちですが、それを聞くことにとらわれ過ぎては、演奏者の微細な表現を見失ってしまうのでは…という思いも抱きました。
演奏する人の真剣勝負は、その響きで受け止めたい。
更に、会の後の話題として、AIが話題になったのですが、やはり音楽を聴いて何かを感じる、音を楽しむのは血の通った人間の特権だとも、思いを強めた次第。先のことはわからないけれど。
人生、味わい尽くしたい…そんな、低次元でいい加減な感想でも、気持ち改められたことが今日の私の大収穫でした。
改めて、有田さん、黒崎さんに心からの感謝を!
ちなみに、Brodmannは、このセッティング。これについてはまた後日!