昨日は、弊店の名物イベント「名盤深聴」でした。
今回はジョニ・ミッチェル「ドンファンのじゃじゃ馬娘」(写真左上のレコード)がメイン。
これと合わせて、彼女の他の時代のものや、影響を受けたアーティストの歌を聴きました。
ステレオサウンド202号(2017.Spring)の高橋健太郎さんの記事に沿って、聴いた曲はこんな感じ。
前半は「ドンファン」から、
「Overture Cotton Avenue」(ハイレゾ)
「talk to me」(ハイレゾ)
「ドンファンのじゃじゃ馬娘」(レコード)
「Paprika Plains」(ハイレゾ)
これらをEMPIRE 9000Mで。
先日のブログにも、ジョニの歌、EMPIRE合ってるんじゃないの!?と、書きましたが、この鳴り方には高橋さんもビックリ。
高橋さんが会場入りされたのはイベント30分前だったので(あんまり早くいらっしゃると、山本先生と高橋さんお二人の間の話が盛り上がり過ぎて勿体ないので)、高橋さんはEMPIREの音を確認されることなく、イベントが始まったので、鳴らし始めたら客席側に行って聴かれたり、ツイーターの高さに合わせて聴いて見たりと、いかにも興味を持たれたご様子。
曲の説明に入ろうとした山本先生を遮って、「このスピーカーなんなの!?」と声を上げられたほど。
(ユーザーの私は密かににんまり。自宅ではこんなに良く鳴ってないけれど…)
お客さま方もノリノリの方がそこここに。
このスピーカーがペアで75-85万というのは絶対お買い得と思います。
休憩を挟んで後半は、Davone Grandeに。
映像で、「Shadows and light」から、ジャコパスのソロを聴いたり、これから発売予定というものを視聴したり。
「Willy」(アナログ)
「A Case of you」(Blue収録)(アナログ)
「A Case of you」(Both Sides Now収録)(Tidal)
ジョニから影響を受けた歌として
プリンスの歌う「A Case of you」(トリビュートアルバム収録)(Tidal)
高橋さんご推薦(ジョニに影響受けてる人は山のようにいるけれど女性で「お!?」という人は滅多にいない。このシンガーは素晴らしい!)の、
Olivia Chaney「Shelter」
最後はミンガスのLPで締めくくり…といった、贅沢な2.5時間。
大層EMPIREを褒めましたが、Davoneもメチャ良くて、彼女の音楽の面白さ、美しさ、作りのきめ細かさを懐深く鳴らしてくれました。
高橋さんの執筆されるこの名盤深聴、もともとよく知られた内容をなぞって書かれているのでなく、ご自身で聴かれ、疑問を持たれ、調べ、調べた上でまた聴かれ、推測され、そしてまた音楽に戻る…という、読んでいてスリルさえある、謎解きのようなプロセスに引き込まれます。
今回録音に関わるさまざまなお話に、私の僅かにしかもっていないジョニ・ミッチェル情報を加えて、ほとんど初めて聴くドンファンを聞いていて、この人の音楽はまるで絵画と思いました。
とりわけ、Paprika Plainsなどは、一曲でその色が強いですが、アルバム通して聴くと、その音楽全体が絵画的。
それは色彩がどうというより、筆のタッチや、色の配色が起こす意外性、化学反応など。
絵は、色だけでなく、多くはその手法、色の使い方だと思うのですが、ジョニ・ミッチェルの音楽は、油絵とか水彩とか1つの手法でなくて、多くの方法で描きたいものを外に出す…という感じがします。
ジョニが小児麻痺の回復のために歌を始めたという話がありましたが、歌で体の自由を得たジョニは、きっと音楽の自由さをより渇望したのではないかと思ったり。
彼女の音楽には、実験的なことが多く取り入れられているように思うけれど、それが嫌でないのは、きっとそれが好奇心に溢れた女の子のキラキラした感じや、彼女の描く喜びが感じられるからなのかしらと思う。
なんにせよ、私は少ししばらくの間ジョニ・ミッチェルの音楽と付き合ってみたいと思ったのは昨日の大きな収穫でした!
高橋さんと山本先生は、また9月にお目にかかれます!!