今日は寒くて、雨模様。お客さまも少ないので、弊店の試聴室、7階のセッティングをのんべんだらりとやっておりました。
LOUNGEとほぼ同じくらいの大きさの空間を、工事して3つに仕切っていますが、その間の壁が意外と弱い。「なき」ます。
もう少し壁強化の手直し工事をするとして、いったんその弱い壁側面にスピーカーを置くのをやめ、建物の元々の壁側(奥)に置いてセッティング。
それでも、左壁の鳴きはそれなりにあるので、この辺はセッティングで解決したいところ。DSのSpace Optimiseも効果的ですが、普通のお宅と異なり店ではスピーカーを頻繁に繋ぎかえすることもあり、まずは部屋の環境を整えたい。
それに、壁の鳴きに困っている方は多いはず。部屋が悪いからどうしようもない…と諦める前に解決策をご案内したいものです。
そこで、今回は弊店かつての名作、これらが大活躍。
革製インシュレーター、てふてふとミューフル。表革(反射面)とスエード(吸収面)の両面仕様で、置き方により、反射と吸音が自由自在になるのです。
これらを右の弱い壁側に吸音面を向けて、ケーブルを浮かすのに使いました。これでかなりフワンフワンいったり、ビーンという音が解消されます。S/Nがよくなりました。
PIEGA Premium701をセッティングしていましたが、音場に高さが出ないため、部屋の角のレゾナンスを減少させようと、てふてふを投入 。
RCAなどのヴィンテージスピーカーの天板が丁度部屋の角になり、そのコーナーで生まれるレゾナンスが邪魔していたんですね。
パガニーニのヴァイオリン曲がスゥッと上に伸びていきました。
我が意を得たり!
こうなってくると、調子に乗ってくるA型は、食べるのも忘れて没頭します。
弱い壁側のラックの上のアンプ、アンプ自体に響きが乗っていることがわかり始め、アンプの上に革を置きます。
これもかつて作ったアイテムで、スエード革に放射状に穴を開けたもの。
なんでもないようなものですが、こんな少しで壁の響きを受けたアンプのシャーシの鳴きを抑えることができます。
間違っても抑えすぎてはダメ。
重すぎ、抑えすぎは、やはり苦しい細い音にになってしまいます。
最初はわあんわあんだった部屋の響きですが、だんだんこの部屋の音の輪郭が見えてきます。
こうなってくると楽しい!
さて、今鳴らしているのはOCTAVE V40SE。
スピーカーはPIEGA Premium701。そうね、もう少し力が欲しいかも。そこで、V40SEに強化電源ブラックボックス繋ぎます。
やはり余裕が出ました。響きがふくよかになって、チェロの質感が立体的に深みを帯びました。Black Boxの効果って、単純に低音が出るとかではなく、音の質感が一段グッと上がる感じになるのです。音場には奥行きが出て、音楽が立体的になるのが特徴。
…が、右壁の影響がまた出てきました。音楽全体はよくなったのだけれど、シナトラの右頬が虫歯で腫れてるみたいになってしまった。もしくは、右肩前に出して斜めに歌う感じ。
そこで、またmu-fleが活躍。
右壁側に置いたヴィンテージスピーカーの上と壁の跳ねを予想し、ミューフルを置くと、なんと右の膨らみはなくなり、シナトラの顔はスッキリと、声は中央に定位!
うちのオリジナルインシュレーターのあまりの威力に、我ながら驚く。
ちなみにてふてふは、一個3800円(税別)で、在庫ありますが、mu-fleの在庫がなくなってしまったのでまた作ろうかな!!
(竹田)