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先日のLOUNGEイベント、オーディオ哲学宗教談義では、Tannoy Autographの英国オリジナルとLINN KLIMAX EXAKT350を使ったのですが、意外や意外、Autographもよかったけれど、LINN EXAKTのほうが良かったとのお声を多く頂きました。

意外というのもLINN KLIMAXには失礼な話ですが、「最新テクノロジー」「デジタル伝送」という枕詞のLINNが、往年の名機、それも名機中の名機Tannoy Autograph、その中でも英国オリジナルのキャビネットですから、枕詞だけで既にLINNの形勢はだいぶ悪いと思います。

そんな中でも、マタイ受難曲の第二部最終曲では、素晴らしかったのです。

幾重にも重なった分厚い低域に確実に追える音階が、バッハの建築的数学的世界の盤石な土台となって、芳醇で豊かな音楽が荘厳に響くさまは、何かが赦されるという感覚を、信仰がなくても持ってしまうほど、尊くそして美しく。

まさにこの音楽のクライマックスですが、これがレコードの最内周なのに、その感動をこれほどまでに喚起させるというのは、時代が時代ならバッハもきっとテクノロジーの進化を喜ぶタイプではないかしらなどと、余計なことを思ってしまうのでした。

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また、はたと思うのが、こんなに素晴らしいシステムを作るなんて、「マタイをこんな風に聞きたい」と生み出されたものでなく、イギリスロックやポップス聴いていて、クラシック音楽もジャズもそんな聞かないという人たちが作っているのですから、そういうのすごくオカシイ。

世の中ってそんなものだなと思います。

(竹田)

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