店内をぼんやり眺めていましたら、オーディオでも家具でもフォルムの美しいものがなんと多いことかと驚きました。
製品紹介・・とまではいかないかもしれませんが、細部の美しさを見てまいろうかと思います。
本日は、Poul Kjaeholm(ポール・ケアホルム)PK22!
革とスチールで作られたシンプルの極致ともいえるフォルム。
華奢な脚部には禅的な美しさが。
デザインから「華美」や「大げさ」という言葉を遠ざけます。
華奢とはいえ、近づいてみるとこの堅牢さ。
スピーカーのPIEGAでもそうですが、金属製品における堅牢さのなんて大事なことか。
金属でもスカスカなものは絶対にいい音がしませんが、椅子だってこうでなければ、座った人が「かけ心地が良い」などと思えるはずがないのでは。
ちなみに、ポール・ケアホルム(1929-80)がスチールを中心にデザインを始めたのは20代半ばとものの本で読みました。このPK22は、1955年のデザイン、さかのぼること4年前のデザインPK25と凄く似ていますが、25のほうは、スチール部分に継ぎ目などがないのですが、その分高ーい。
いくつかのパーツで仕上げているこのPK22でも、継ぎ目などがデザインを邪魔しないような配慮が。
そして、くいっと小さく曲がった足が、チャーミング。
硬さ、真面目さから、この椅子をPoul Kjaeholmたるものに昇華している1つの所以かと。
座面もシンプルなつくりですが、革の張り具合が絶妙。
大きすぎない面積は、座ってもよし、室内に置いても美し。
スチールは背もたれ、座面のサイドの2本で、横にわたるスチールは、座面の下に渡ったこのアールのスチール。
なので、体にあたる部分はスチールがないので、見た目よりリラックスしたかけ心地。
真横から見ると、ほぼ線で構成されるこのフォルム。
この抜け感、堅牢、シンプル、どこかLINN LP12に通じるところがあると思うのはわたくしだけでしょうか。
(竹田)