最近、私のセッティング注意事項の一つに「定位」というとてもオーディオらしい項目が増えました。
今までの注意事項は、
「ボーカルが左や右に寄ったりせず、中央にきていること」
「低音がモコモコしたりしていないか。」
「高音がうるさくないか」
などでした。
とはいえ、「楽しく聴けるかどうか」という漠然とした感覚が頼りで、その中で「上記の3点のようなことが起こっているときは良くない。」と「認識出来る。」程度のものでした。
以前から「定位」ということを何度も言われてはいたのですが、イマイチピンときたことがなく今に至っていました。「ボーカルちゃんと真ん中に来ているじゃない。定位が安定してないって何?全くわからん!」
そんなある日、景気づけに、とセッティング中のARTIKULAT320でバルビローリの「威風堂々」をかけました。
ならないのです。景気づけにならない・・・。
以前あんなにも元気付けてくれた「威風堂々」(8月6日の掲示板参照)、好きになって自分でもCDを買いました。店にあったバレンボイムの演奏でこの曲のよさを知りました。個人的にはもう少しゆっくりな演奏のバルビローリの盤を買いました。オーケストラの歌わせ方が好きなのです。
しかし、今日は元気付けてはくれません。(もともと元気だからでしょうか)
おかしい。この曲そんなに難しかったの!?家のKATANではよく鳴ってるのに・・・。
ひとまず、ボーカルをかけてみました。フランク・シナトラの「STRANGERS IN THE NIGHT」。確かに中央にいるのですが、何だかどこを見てよいかわかりません。
以前、スピーカー間におかれたラックの位置をずらしただけで、音離れが良くなりボーカルが生々しく聞こえだしたことを思い出し、ラックを横にずらしてみました。結構変わるので何度か動かしてみた後、「!」きましたきました!
シナトラがそこに居る!その時「定位」を心から実感いたしました。
「定位」とは「位置が定まる」と書きますよね。
「定まる」と言うことは位置は1箇所のはず。
「定位が定まる」ということが、こんなにすごいとは!そして、ラックを動かしただけでこんなに変わるとは!
そして、威風堂々をもう1度かけてみると、オーケストラは躍動感を持って響き、楽しい気分になったのでした。
今は「定位」がマイブームで、シナトラのCDを持ち歩いて、中央にいるかどうか確かめて歩いている今日この頃です。
追記 シナトラのレコードはどうやら「定位」にシビアのようです。シナトラがそこに立ってくれれば、何でも鳴ってしまうかも!?
(竹田)