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こんばんは!昨日早退しました竹田です。
昨日に続き、今日はコンサートの感想などを書いてしまったりして。
(よく実家で、父が美味しかったレストランの感想を延々と話し、母が隣で「人の食べたのがどうのって聞いたって、面白くもなんともありゃしない!」とむくれている図を目にします。一応気をつけますが・・・)

さて、昨日行ってまいりました。マゼール指揮、ニューヨークフィル!

感想は「良かった!」としか言いようがありません。スミマセン。
あまり色々言うと「美味しんぼ」的になるので避けますが、演奏された楽曲はこういう感じでした。
ブラームス「ハイドンの主題による変奏曲」
エルガー「チェロ協奏曲」
シュトラウス「ドン・ファン」
チャイコフスキー「フランチェスカ・ダ・リミニ」
お目当ては2曲目で、実は他の楽曲は当日その場で「あっそうかこんなにたくさんやるんだ」と気づいたくらい、ほかの事は何も見えてなかったのです。
ですので、予習する由もなく、エルガー以外はすべて知らない曲。

エルガーの感想をまず先に。
どうしても、デュプレとバルビローリの演奏が抜けない私は、初めは演奏しているチェリストが、体の大きさが同じようだからか、デュプレにかぶってしまい演奏も似たような演奏に聞こえ、なんとなく意識が集中できませんでした。
演奏者の方には申し訳ないけれど、模倣のように聞こえてしまったり。
ただ、あまり色々わからないのですが、全体の印象はすごくフラット。
あぁ、この方が譜面どおりなのかなぁ・・・なんと思いつつ白昼夢を見るような気分で聴いていたのですが、終盤にかけての盛り上がりから、デュプレという存在とは別にこのチェリストに、目の前の演奏に引き込まれてゆき、最後はとても鮮やかに胸に残りました。
このチェリスト、24歳とのことですが、結構いいかも。アリッサ・ワイラースタインという女性でした。
1月にはズービン・メータ(2007ウィーンフィルのニューイヤーコンサート指揮)指揮で同じ曲を演奏するようです。

そして、マゼールさんですが、私は初めて聴くのにすっかりファンになってしまいました。
なんとも指揮を振る姿が、チャーミングな方なのです。かつスタイリッシュ。まるで踊るように指揮を振るのです。
彼がクイクイっと腰を振りながら振ると、オケも楽しくゆれているように感じます。
見た目ばかりでなく、演奏は・・・
実は初めに浮かんだ言葉が、宣伝でも何でもなく「LINNだ」と思ったのです。
しかも「LINNのARTIKULAT」。
これは、明日イベントするからとか、そういうのではなく本当にそう感じたのです。
もちろん、LINNのスピーカーに触れる機会が多い私にとって、それは安直な答えだったかもしれません。
しかしながら、それは十分に差し引いても私は「LINNでした」と言い切ってしまいます。まだ若いから(笑)
なぜなら、マゼールの演奏はものすごくカチッと骨組みがしっかりしている。
だけど四角四面でなくて、柔らかさも備えている。この人の人柄か、それがとてもチャーミングなところもある。
マゼールがどういう指揮者が、まだそんなに知らないですし、知らないでこんなことを言うのはどうかと思われるかもしれませんが、なんとなく楽譜にある、ありのままをきちんと演奏することを信条にしているように感じたのです。それが感動につながるのでは?と。あぁ、でも感動させようと思って演奏しているわけではありませんね。「それで、私は感動したのです。」と言ったほうがよいかもしれません。
エッセンスはこの人の人柄や、経験値なのでは?
LINNのARTIKULATが奏でる音楽は、きちんとカチッと、だけど深いところに優しさがある。押し付けがましくない、その謙虚さ。
そこまでなんだか似ているように感じたのでした。

でも、実は不思議なことにARTIKULATでマゼールの演奏を聴いてみようかなと思わないのです。
まずは、私のKATANから。
大切に聴いてゆきたい指揮者との出会いでした。

追記 ところで、めちゃくちゃサービス精神も旺盛で、チェリストのアリッサさんはエルガーのあとで、バッハ「無伴奏チェロ組曲」から第一番3ブーレをアンコールに、マゼールは全曲終えた後でビゼー「アルルの女」よりアダージェットとドボルザークの「スラブ舞曲」を2曲振ったのでした。74歳にしてすっごいバイタリティ!!
(竹田)

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