とても複雑な事をシンプルに表現するという、パッと聞いた瞬間は簡単そうな内容ですが、中々むずかしいものがあります。
“レトログラード(フライバック)”
逆戻りという意味の機械式時計特有の複雑機構は、高い精度と耐久性が求められるため、限られた時計ブランドで採用されてきました。
1分間に3回、1日で4320回、秒針が円運動ではなく、円弧状に動き、ピコンと元に戻る機構を持つ“コレ”と出会ったのは3年前のことでした。
昔から時計には興味はあったもののコレといった物がなく、出会った瞬間に何かピーンときて、分不相応ながら手に入れてしまいました。
時を知るという、時計本来の道具としての用途のほかに、「1分間」という時の流れを、何か、楽しく表現しているような気がしております。(この時計は初めて見る方や、夜は何時か全く分かりません)
あまりメカのことは詳しくありませんので、技術的なことはご説明できませんが、すごく複雑な事をやっているはずなのに、パッと見はすごくシンプルで、愛嬌さえ感じます。
オーディオもシンプルにいい音がいつでも楽しめるよう、細かく繊細なセッティングを心がけたいと思う今日この頃です。
フジイ