「デジタル」と聞いて、
いい印象をもっている/あまり好ましいものではない
それぞれいらっしゃると思います。
「デジタル」は、「便利」「プロセスが不明瞭」「実体感がない」
「アナログ」は、「手間」「プロセスは見て分かる」「作業やモノに対しての愛着」
そんなイメージ。
そういえば、知らない分野で、よくわからないことに直面した時は「いやー、アナログ人間で」と答えています。
たとえば、荷物を送る時に一言添えるのに、PCで打ち込んで印刷したものより手書きで送りたかったり、ネットで買い物するよりは店で買いたかったり、そのレベルでは「アナログ人間」です。
しかしながら、インターネットで何でも調べられるし、メールもすぐに送れるし、こうしてブログやFACEBOOKでお店のことを広く知って頂くことができるなんていうのは、いや、もう知ってしまった今は、ない生活は考えられません。
ネットだったか、恋愛ドラマが成立しにくくなっているという記事を見ました。
携帯があればすれ違うこともないし、メールがあれば連絡も簡単。
昔は電話の最後のボタンが押せなかったとか、家族の人が電話口に出て緊張したということがありましたが、今はあり得ないですものね。(「ダイヤルまわして」という歌詞など、今の人には意味不明かも。)
手間がかかる分、大切にしているように思えます。
対して便利で簡単になっている分、大切にすることを失っている?
果たしてそうかな。
それは使い手次第で、アナログでもデジタルでも、方法が違ってちょっと考え方や見え方が変わるだけ。
アナログであろうとデジタルであろうと、動かすのは人間。
デジタルはできることが凄く多くて、使い切れていなくて全体像が見えない感じはあります。
デジタル領域での「できること」は、きっともっともっとあるでしょう。
LINNのEXAKTを聴くにつけ、触るにつけ、まだまだ大いなる可能性を秘めていると感じます。
色々セッティングしていくうちに、どんどん音がよくなっていくのを聴いて、思うのです。
今までどうやったって聴くことのできなかった音が聴こえていて、再現できなかった空間感・奥行き感が1週間鳴らしただけで出ている。それを目の当たりにして、このシステムの「可能性」を聴いている。
もしかしたらEXAKTがやっとデジタルのスタートラインに立ったのかもしれない。とさえ思います。
でも、面白いことに、やっぱりセッティングしたり、optimizeの数字を調整したりするのは人間の耳なのです。
どんなに優れた機械でも、人間の耳に勝るものはない。
人間の耳の何がすごいかって、音楽を耳からいれて、感動することができるんです。
その「感動」は、どんなプロセスを通ったとしても「実体のないもの」。
でも、一生脳に刻まれるほど、「揺るぎない確かなもの」なんです。
さぁ、そんな音を早くEXAKTから出したいものです。
何の意味もない写真ですが、面白い景色だったので。
こんな一瞬だって、簡単に残せてしまうんですものね。