MAGICO S1 mk2を先週はOCTAVE V80SEで鳴らしていましたが、今週はNuPrime IDA16で。
この組み合わせはOCTAVEのしなやかな力強さとはまた異なる魅力が。
例えば、ブルックナーの4番。
それも、例えばギュンター・ヴァント指揮北ドイツ放送交響楽団より、グーっと抑えた感じから始まるスタニスワフ・スクロヴァチェフスキ指揮ザーリュブリュッケン放送交響楽団のものがいい。
どちらもドイツの放送交響楽団だけれど、スクロヴァチェフスキは、ポーランドの指揮者。抑えに抑えた中で、遠くまで景色が見渡せるようなこの感じ、どこか冷めた懐かしさと言ったらよいか、、、単なる郷愁でなくて、自分には故郷があるという確固たるアイデンティティ。以前見た映画「コールド・ウォー」で見たポーランドという国をどうも重ねてしまうのかもしれません。
この演奏で、フィンランド人のオズモ・ヴァンスカを思い出します。お客様のお宅で聞いたあの演奏。霞がかった山々の景色、空気が澄み渡るような、そんな印象で、体温低めの美しさ。確かあの時のスピーカーもMAGICOだった!
で、ヴァンスカのブルックナー4番をプレイリストに載せたら、思ったほどピッタリでもない…。ミネソタ管弦楽団?アメリカだからかなぁ。
待てよ、ブルックナーでなくてシベリウスを聞いたのだったか。ヴァンスカ指揮のラハティ交響楽団のシベリウスを。
フィンランド人によるフィンランドのオーケストラ。気温も体温も低めの、肌に心地よい湿度の音色。合います、このシステムに。
そんな身勝手な遊びをして聴くのも、音楽に没頭させるNuPrimeのドライブ力。
ちなみに、モーツァルトとかベートーヴェンのあたりよりも、ブルックナー、シベリウスがこのスピーカーに合うように思うけれども。きっとストラヴィンスキーや、プロコフィエフなども良いだろうナ。
クラシックのピアノ曲は意外と難しくて、好きな演奏はあまりしっくり来ず。ラヴェルのピアノ協奏曲もさぞ合うだろうと思われたけど、もう少し情緒が欲しいところ。
しかし、ロック、ポップスはやりますヨ!AORも抜群。
ボズ・スキャグスの「ハーバーライツ」は、前奏の部分で、こんなにいろんなことやってたの!?と聞き入って、じっくり聞かせるし、パット・メセニーの「What’s it all about」収録の「アルフィー」もギターの音色がクールでカッコよい。
音がイイっていいな!!
(竹田)