銀座と言えば・・・子供の頃、日本橋と並んで嫌いだった街の一つでした。
母は言わずもがな、いつも構ってくれる祖母まで近所のデパートに出かける時とは大違いで、お洒落して目をキラキラさせてそれぞれ自分のことに一生懸命。
おもちゃ売り場も遊び場もないので、和光のゆるやかな螺旋を描く階段を勝手に登っていったり、靴のYOSHINOYAの店内をぐるぐる回ったり、綺麗なピカピカのアクセサリを触ったりして、ギリギリと手を引っ張られたのをうっすら記憶しています。
でも、和光もYOSHINOYAのお姉さんも全然嫌な顔をせず、こちらが恥ずかしくなるくらい爽やかだった覚えがあります。
それが一番古い銀座の記憶。
ちなみますと、
母の銀座は、不二家のショートケーキを食べるのを楽しみに家族ででかけた思い出。
祖母のは、学校帰りの寄り道で、和光の道を挟んで向こうから大きな声で自分の名前を呼ぶのが曽祖母だったと。
街の真ん中で恥ずかしかったと懐かしそうに話していたのも、もう20年前のこと。
嫌い・・・でもなかったかもしれません。
銀座は銀座の華やかさを子供ながらに感じていたことは確か。
毎日通うようになるとはあの時思いもよりませんでした。
街もずいぶんかわりつつありますが、それでも銀座は銀座。
歩いていると、昔の母や祖母に会えそうな気がして、懐かしさがこみ上げます。