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LINNがSpace Optimiseを始めた頃から、Optimise=最適化ということを頻繁に耳にするようになった気がする。

それはその言葉に意識がむいたからかもしれないけど、朝のニュースとか、オーディオのテクノロジーで、最適化ということは以前より絶対に言われている気がする。

私がオーディオ業界に入った16年前はホームシアターの盛り上がりな真っ只中で、「お家に映画館」から始まって、それ以前と比べると家族で楽しむことが視野に入ってきたころなのかもしれない。その頃のサウンドクリエイトの広告では「ライフスタイル」を謳っていて、LINNではCLASSIK  MUSIKがあり、コンパクトに完結する5.1chがあり、マルチルームシステムがあり、生活の中に音楽を入れることを推し進めようとしていた。

とにかくオーディオを不自然でなく生活に入れて欲しいという気持ちが強かったのを覚えています。手前味噌かもしれないけれど、そういう方面ではLINNやB&Oなどが先をいっていて、あとから他のメーカーのカジュアルコンパクトな製品が出たりして、その頃にはサウンドクリエイトもLINNも、スタイルだけとみられることを嫌ってもっと音ということに立ち戻って、深掘りしていった。

その先にLINNはDSを作り、サウンドクリエイトはバーチャルアースなど、製品がどんな状況下でも絶対にいい音にするように取り組んできたと思います。

DSはまさに当時夢見たライフスタイルを体現して、音楽を聴くスタイルを変えたし、ユーザーの方と直接関わるサウンドクリエイトでは、音の追求と幅広いライフスタイルに応えられるよう、それまでのオーディオスタイルを持ったまま、更にヴィンテージスピーカーや家具へと発展させていこうとしました。

LINNもサウンドクリエイトも、時間はかかったものの、方向転換することなく積み上げてきたから、その先に進むことができたかと思います。これまた手前味噌な話だけれど。

その段階で「最適化」という言葉が、際立ってくる。

上には経験上のリンやサウンドクリエイトのことを書いたけれど、世の中的にも、モノをたくさん持つ時代から、3.11ほか沢山の天災、震災を経て、断捨離やモノを持たないことを考える時期にきたと思います。

でも、モノがない時代からモノを持てるという経験を経てきた昭和生まれの我々にとって、全く持たないということもイマイチ肌に合わないこともあり、精査する、選ぶ、大切なものだけもつ、クオリティライフの時代に来たのではないでしょうか。

あらゆるテクノロジーが出尽くしつつある中で、各々の場面でどんな技術が最適か、何が自分にとって最適か、そういうことが求められるように思います。

あるお宅に納品に行ったら、balmudaバルミューダのシンプルなデザインの電子レンジがあって、奥さまが、使う機能だけが付いている、すべての機能が使える、と力説。お知らせのアラームが音楽的なの!まるであなたの(ご主人)のLINNみたいね、と揶揄も含みつつかもしれませんが、とても嬉しそうにお話しされていました。私が使っている多機能電子レンジ、その中で幾つの機能を使います?と追求され、言葉に詰まったのでした。

ただたくさんあればいい、なんでも機能が付いていればいいという時代は終わって、経験上、何が自分にとって必要で、それだけあれば楽しめて、使いこなせない後ろめたさもない。

そんな時代の中で、最適化という単純明快かつ、人それぞれ内容の違うサービスやテクノロジーが重要になってくるんじゃないのかな。

忘年会帰りの酔っ払いの戯言。

私の飲み方も、そろそろ年齢と次の日のパフォーマンスへの最適化が問われますネ。

(竹田)

載せる写真がなくて、先日の納品帰りの東京タワー。最近はクリスマス仕様で、毎日なのか?イルミネーションが変わります。

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