お客様の声

LINN EXAKT AKUDORIKをKLIMAX EXAKT DSMで鳴らしていた先週末でした。

EXAKT話が続き、恐縮ですが、お客様からのコメントを是非・・・。
先日もちょっと触れましたが、まずは流れを・・・
土曜朝10時にヘッドユニットのKLIMAX EXAKT DSMが到着。
14時のお客様に合わせて、急いで設置、セッティング。
でも、12月に1週間KLIMAX EXAKT DSMで鳴らしているから、大丈夫。
前回の位置はデータがあるし、それに合わせ音を確認。
AKUDORIKもエージングが進んでいたので、前回よりは少し前にスピーカーを出してOK。
さーて、安心あんしん。
開店して、あわただしくするうちあっという間の14時。
お持ち頂いたデータを聴き始めて頂いたところ・・・お客様の顔がさえない。
そして、音も横で聴いていてなんだか低域が出ていない。
まずい、2,3時間の間に低域がずいぶん出てきたようで、お客様の前でスピーカーの位置を変えたり、メジャーで距離を測ってオプティマイズの数値を変えたり。
お客様の顔も少し緩んで、「これなら納得できる。」
「さっきの音だとちょっと音がタイトで、KOMRIからの乗り換えはかなり厳しいと思った。」
そう。お客様はLINNのフラッグシップ機KOMRIユーザーで、今後少しシステムをコンパクトにしていきたいというご要望から、AKUDORIKをKLIMAXで鳴らすのを聞いて頂いていたのでした。
とはいえ「めっちゃいいね!」ということではなく、まだ鳴らして数時間ということもありと弁解に弁解を重ね、リベンジのチャンスを頂いた本日。
大変奥ゆかしいお客様は「評論家さんみたいなこと言ってゴメンナサイね」と前置きされ、先日聴かれたモーツァルトの弦楽四重奏は、「カルテットがちゃんと別々に聴こえて、なおかつ響きがちゃんとブレンドされて、気持ちいい」
ダイアナ・クラルの新譜「Wallflower」では、「この人ハスキーだから、低い声の強さばかり目立っていたけど、声の強弱のニュアンスなど聴いていると意外と可愛らしいところがある」
私自身もどこか大味に感じていた彼女の歌い方、すごく繊細な部分があり、へー!という感じ。
荒井由実の若いころの歌は、「ちょっと威張った感じで険があると思っていたけど、若い彼女が凄く一生懸命頑張って歌っている感じがある。40年聴いているのにこういう感じで聴いたのは初めて」
・・・ということは、これは・・・あ、これもこんなに違うんだ。
と、それぞれ何十年も大切に聴きこまれた音楽を聴いて新たな面を見出されます。
「分離がよくて解像度があがっているのがよくわかる。でもKOMRIのタップリ感や甘い感じもある。それでいて、このEXAKTだから成せる、音楽の「繊細な表現力」も持っている。」
と、この間聴いたときよりかなり良くなっている。
これならKOMRIから乗り換えても、「失敗した―」ってことにならないね。
あぁ、セッティングって本当に大切です。
それから、セッティングやっている時に思いましたが、これって彫刻家みたいと。
まるで石の中から掘り出すように作品を作ったミケランジェロや、カミーユ・クローデルのようにはいかずとも、
目の前の音が、まだベールをかぶっている、
もう少し彫を深く、このオーケストラはもう少しそれぞれの音が入っているはず・・・
と、セッティングしていく作業は、なんとなく近いものがあります。
いつか、それだけの腕になりたいものですが。
ちなみに、次回KLIMAX EXAKT DSMで鳴らすAKUDORIKは、もう少し先の予定・・・デス。
20150403_1016715-705x1024
コメントは利用できません。