昨日はLegatoを早仕舞して、パーカッショニストのKUNIKOさんのコンサートに行って参りました。
今回、2日間のコンサートで、今も健在の作曲家スティーブ・ライヒとアルボ・ペルトの傘寿を祝って、KUNIKOさんが彼らの曲を演奏するというものでした。
私は、2日目の、ペルトの演奏がメインの日に出かけて参りました。
プログラムは、KUNIKOさんの2枚目のアルバムCantusに収録の6曲が主。
バッハのチェロ組曲やヴァイオリンソナタからご自身でマリンバのために編曲した小品や、フランコ・ドナトーニの作品を含む全9曲。
それに2曲のアンコールまで!
メロディラインを追う感じではないので、初めの頃は「苦手な分野」と思いこんでいましたが、一度生を見聴きするとはまってしまいます。
昨年4月に聴いてから、又絶対に生演奏を聴きたいと思っていました。
マリンバは、鍵盤の下部の共鳴管の響きが重なっていくので、
響きのコントロールがすっごく難しそう。
それこそ全身、爪の先までと思えるほどの集中力です。
バッハの無伴奏チェロ、第3番のプレリュードは、両手に2本ずつ巧みに操るマレットの動きが、ニューロンの動くがごとく美しく。
作曲家本人から「小さいところは繊細に、本当に小さく」「この音はこういう風に」など細かい指示が入ったというペルトの曲では、一音一音を慈しむように、あるときは全身から放出するような力強さで。
その音、響きの重なりは、即興的に生まれたようで、全てが計算しつくされていて「音楽」になっている。
そのコントローラーであるKUNIKOさんが、
まるで不思議の国のアリスみたいに、マリンバの前で大きくなったり小さくなったりするのを目を凝らして見ていました。
不思議な体験。
白寿ホールは、小じんまりしたホールですが、演奏と合わせて照明が変わり、より一層幻想的。
昨年4月に聴いたのは主にライヒ。
「ペルトとライヒは全然違う」とKUNIKOさん本人が会の途中で言っていました。
知らなければ「マリンバ演奏全般」と思ってしまうところですが、本当に全然違う。
LINN Recordsからリリースされていなければ手に取ることがなかったかもしれない音楽。
まだまだ、見るべきもの、聴くべきものが山のようにあるなと思います。
長生きしなくちゃ。
次もまた是非行きたいものです。