始めに申し上げておきますと、店頭のJensen Old Imperialは既に売約済みとなってしまったので、今は手持ちの在庫がなく、積極的に探してもらっています。
Jensen Old Imperial。
私はたぶん個人的にこのスピーカーの音色が大好きで、そしてこのスピーカーの音にハマる人の音楽の聴き方が気分的にわかるので、誰にでもはお勧めしていなかったりするのですが、隠し在庫のように家具のフリして、ずーっと弊店の5階にありました。
一つに、ちょっとサイズが大きいという問題があって、置き場所に対してクリアするかどうかはいつも課題にはなるのですが、これは、家具としても音としても存在として実は持つ人の人生をすごく幸せにするスピーカーだと思っています。
既に、Tannoy Corner Canterbury、JBL アクエリアスが自宅にあり、EMPIRE 9000MとWharfedale W3がところてん式に実家に移動している身としては、もう置き場所がどうしようもないので、個人的に所有するわけにはいかないのですが、Jensenの、特にこのオールドインペリアルには、TannoyやJBLでは出ない音がします。Jensenの他のモデルは、鳴らすのに少し神経を使うところがあるように思えるのですが、このモデルに限っては、ない。おおらかで楽しくて懐が深くて、次々に聴きたい音楽があふれ出てくる、そんなスピーカーです。
ピアノのアタック感、チェロの胴鳴り、ヴァイオリンの啼き、声のふくよかさとその魅力、ロック、JAZZ、クラシック、ポップス、現代スピーカーに比べれば当然クリアネスや数字的な帯域の限界はあると思いますが、そんなのは問題にならない説得力。
言い出したら止まりません。
Jensen Old Imperialは実は歴史に名を遺す存在でもあり、バスレフタイプの第一号なのだそうです。
それまでは、後面開放か密閉型が主流だった、そこに登場したのがこのスピーカー。
大きい割に内部に細工はあまりなく、割とがらんどうなのですが、そうだったんだ!
それと、バッフルは、綺麗に曲げてあるのですが、これはなんと一枚板の内側に切れ込みを入れて、構造的に曲げているのだそうです。
デンマークの曲木の加工とはちょっと違うのですね。
角のスリットは上から下まで20〜30本くらいあります、その上から3〜4箇所に木の皮くらい薄く剥いだ四角いものでカバーが施されています、たぶんスリットの剥がれ止めだろうとのこと。
モノラルの時代のもので1本売りされていたので、正面の意匠もいくつかあり、同じデザインかと思っても1つ1つ大きさが微妙に違ったり、デザインが揃わなかったりで、ステレオにして販売するのは実は意外と難しいです。
弊店在庫が尽きてしまったので、また探してもらっていますので気長に待つといたしましょう。
そんな間にこんな小さなJensenが入ってきました。
何と当時のままのオリジナルのサランネット。この洒脱さ!!
スミマセン、非売品と言いましょうか、売約済みと言いましょうか、販売できないのですが、これがオールドインペリアルの味わいを持っています。
ユニットはおそらく12.5cm。
欲張らない良さが、欲張りな奴の手に落ちる・・という。
ツイーターは紙のコーンだそうです。
今度中を開けてみます。
ちなみに、これも是非探してとお願いしております!
(竹田)