好きなものについては何度でも書いてしまいます。
同じことを繰り返しているのかもしれません。
Jensen Old Imperialのまた新しい魅力を発見して、嬉しくなっています。
昨日ご試聴にいらした方に、バルバラの「ナントに雨が降る」をかけてみました。
お客様も私も「はっ」とするほど、バルバラがそこに居ました。
「月並みな言い方だけど、ここにいるね」
今朝その音を反芻しながら、ボチェッリの「Senza Fine」を聴いていてアレと思いました。
この曲をよくセッティングで使うので色んなスピーカーで聴いているのですが、
「Senza fine tu trascini la nostra vita
Senza un’attimo di respiro per Sognare
Per potere ricordare…
と、結構イタリア語の巻いた「R」発音多発する冒頭。
これが、この発音の抑揚が良く出ているのです。
ボチェッリが歌っているし、内容も大人の恋の歌で、そっと置くような感じで歌っているので、激しい舌巻R発音ではなくて、言葉に余韻を残すようなそんな感じが良く出るのです。
他のスピーカーでそのまま聞いてみると、声質だとか音色に意識がいって、やっぱりJensenのその感じは少し他と違う。
そこで、また昨日のバルバラを聴いてみました。
「ナントに雨が降る」は、亡くなった父を悼む悲しい曲ですが、ちょっと曰く付きのところがあることが近年わかっていたりするもの。
喉の奥から苦悩を絞り出すようなバルバラの歌は、Jensenで聴くと、それはまさに「歌」であって、
歌声は当然素晴らしいながら、「歌」に「心」が添えられます。
美空ひばりの「歌はわが命」で聴く、歩んできた人生の明るさと暗さ。でも大スターとして圧倒的な明るさで魅せるところ。
フィガロの結婚、ケルビーノ役のシュザンヌ・ダンコの「恋とはどんなものか」と歌う無垢や天真爛漫さ。(その演技力!)
そういうものがJensenのOld Imperialでは出るのです。
(竹田)