まだあまり知られていないブランド、BORRESEN(バーゼン)ですが、
鳴らしていると、立ち止まり、そのうち座って聞きこまれる方も。
お客様もそのうちのおひとりでした。
BORRESENの前は、LINN MAJIK140をお使い。
「オークで統一したかったから気軽に買った」ものの、SEアップグレード(ベース)もされ10年以上ご愛用されたのでした。「もっと早く手放すと思っていたけれど、これ以上に好きになるスピーカーが出てこなかった」MAJIK140SEは、10年鳴らしたとは思えないほどフレッシュな鳴り方で、直前までいい音していました。
「いい音してるでしょう。これ以上に鳴るかな」とご心配顔。
ご自身の好みを求めて様々なスピーカーを試聴してきて「これで間違いない」と決められたものの、ご自宅で鳴らすまではワカラナイ。聴き慣れたスピーカーとサヨナラして、一からの新しい付き合いとなると、住み慣れた土地を離れるような寂しさがあるものです。
そんなご心配を目にして、大丈夫、まあちょっと楽しみに待っててくださいと、言いつつもスピーカーから音が出るまでの無音の時間って妙に長く感じられるものです。
さあ、鳴ります!
新しいスピーカーで鳴らす1曲目って悩みます。
かけられたのは、試聴の時にも聞いていらしたメンデルスゾーンの無言歌集。アンドレアス・オッテンザマーのクラリネットで、ユジャ・ワンとジュリアン・クエンティンのピアノに編曲されたもの。
曲が始まるや否や「すごい!!!BORRESENすごい!」
情報量の多さ、空間の広さ、鮮度の高さ、低音の安定感、中高域の伸び、いずれも、スピーカーの第一声から皆の期待を上回りました。
「買ってよかった!!」と力強いコメントのあとは、私たちセッティングしている間も次々と曲がプレイリストにのせられてゆきます。
MAJIK140SEご愛用時にアップデートされたスピーカーケーブルはAnsuz Speakz X2Ansuz Speakz X2ケーブル。
インシュレーターもAnsuz AdjustableAnsuz Adjustable。
AnsuzとBorresen、それにアンプメーカーのAAVIKは、ブランドの名前は異なりますが、同じ人たちの手によって開発されます。彼らの長は、マイケル・バーゼン。かつてはNordostやライドーアコースティックスも手がけています。
自身の名をスピーカーのブランド名に付けたのは、よほどの自信の表れでしょう。
そんなこともあり、このスピーカーの脚部も、Ansuzのインシュレーターがはまるような作りになっていて、脚部とインシュレーターの間にはチタンボールがセットできる作りになっていて、スピーカーがフローティングされています。
ちなみに、このインシュレーターAdjustableは、一般的なスパイクマウントとしても使えるようになっています。
駆動はLINN SELEKT DSM。ご納品前はワンボックスで鳴るかな、、という心配もありましたが、Katalyst DACが効いていてしっかりスピーカーを制動しています。
やはりアンプはただ力があればいいというのではないことを証明していました。
さて、キュートな後ろ姿は、あの映画の主人公。音楽に没頭している姿は、お客さまそのもの!?デシタ。
(竹田)