LINN DSのこれまでVOL.2に続いて。
2016 Katalyst DAC搭載
2015の新型クロックのあと、立て続けのこのアップグレードのニュースは、正直「え、また?」という気もいたしました。しかし、LINNにとってはおそらく念願のと言ってもよいアップグレード。それまでは出来合いのDACを何百も試して製品に組み込んできたのですが、ついにDACの機構に、LINNがああしたい、こうしたいを取り入れられるようなものが、旭化成、AKMのDACで可能になったのです。LINNとAKMの共同開発のDACにはKatalyst「培養」という名が付けられ、これがLINNにとってはCD時代から始まり第4世代目のDACとなりました。Katalystについて詳しくは<コチラ>。
POINT: DACに対して常に安定した電源供給をするというこの機構に関しては、Katalystという名のついていない製品(SELEKT StandardDAC、MAJIK DSM4)にも取り入れられ、全てのラインアップの音質が底上げされたのでした。
クロックの次の年にしたのは、製品を販売するという意味でLINNとしても不本意ではあったようですが、進歩がとても早いデジタルのマーケットで、1年、2年時期を伸ばすということはできなかったと話していたのを覚えています。それは新しい分野での製品開発という立場からの英断だったと思います。
そして、Katalystが搭載された頃から、DS(プレーヤー専用機)、DSM(プリアンプ搭載機※)の差が少なくなり、DSモデルはDSMに変わって、終了への道を辿ります。※ボリュームをオフにして他ブランドのプリアンプに接続することが可能。
この長く地道な道のりが、昨年発売の完全自社設計DAC、ORGANIKへと続いていくのでした。一旦ここまでとなりますが、今後も続いていくに違いありません。
全てのアップグレードに初めからお付き合いいただいているお客様には感謝の言葉以外見つかりません。
そして、流れを見ていただいた通り、4-5年おきに各部が大きな進化を遂げるDSMですので、今回のアップグレードはパスしてまた8年後とか、12年後、、などと、長きに渡って付き合える製品であることも確かです。
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(竹田)