お家ではどんな音楽を聞かれますか?とよく聞かれます。
仕事から帰ったら、エアコンの電源よりもオーディオの電源入れますなどと気取って言っていた時期もあります。結構昔だけど。。
オーディオで癒されて、と広告を打ってた時代もありました。
もしかすると、ある頃からオーディオが癒しであったことはほぼないです。仕事だからというのもありますが、それほど真剣にさせるものだからということもあります。
やさぐれた気持ちで帰って来た日に、うちのアンプが真っ先に点灯されることはまずなくて、やっぱり音楽の喜びを得たくて聴く。癒しじゃないというのは、オーディオ屋の宿命かもしれません。
ただ、不思議なことに、彼ら待ってるんですよね。鳴らされるのを。室内で頭が整理されるうち、静かな佇まいでこちらを向いているTannoyのスピーカーもOCTAVEのアンプも「いいよ、いつまででも待ってます」って顔で部屋にひっそりとした存在感を放っているのです。
ブルートゥーススピーカーとかどんな小型のもので良いものが出てきたとしても、この無音の存在感はやはりオーディオにしか出せないと思う。
自分の好きなもの、興味のあるものしかかかることのない愛機だから、鏡以上に鏡のような存在なのでしょう。
オーディオを持つってそんなことだよな、と思います。
(竹田)