昔「チェット・ベイカー」の名前とジャケットのデザインで買ったレコード。
聴いてガッカリして飾り用レコードになっていたもの。
あれからずいぶん経ったし、また聞いてみました。
チェット・ベイカーに持つ「甘やかさ」や「しっとり」のイメージとは違って全曲ポップで、ジャケットの絵からバラードを期待したので「やだ」と思ったんだなー。
悪くないけれど、チェットっぽくないかもなーと聞き進めていたら
「リップ・スライム!?!?!?」
日本のヒップホップのRIP SLYME(リップ・スライム)の「雑念エンターテイメント」の曲、これが元だったの!?
チェットが演奏するその曲「Spinning Wheel」は、6⁻70年代のロックバンドBlood, Sweat and Tearsの曲で、そもそもチェットのこのアルバムのタイトルがバンド名にかけてるんですよね。それは店内で飾っていた時にお客様に教えていただいたことがありました。
辛抱のない私は、最初の1⁻2曲で「なんか違う」と思いターンテーブルからレコードを下ろして聴かずにいましたが、とにかくジャケットが好きで割りといつも見えるところに置いていたのですが、 まさかこの曲が入っていたとは・・・。
(学生のころから好きだったんです)
元ネタ聴いたら、バンド名の「Blood, Sweat and Tears(血と汗と涙)」っぽい汗臭さがあり、そのあとチェットのを聴いたら洒落ていて、ナルホド「汗」の代わりに「チェット」の要素が入っている。
そこまでJAZZYになっていないし、そんなに原曲を崩していないのにこうも変わるものだなぁ。
不思議と「血とチェットと涙」と聞くと、汗臭いイメージが詩的なものに変換されるのは不思議です。
Blood, Sweat and Tearsの曲が多いですが、他にもサンタナやジョージ・ハリスンの「Something」などが収録されていて、好きな1枚になってしまいました。
今日は、弊店オリジナルのミニハーツフィールドと組み合わせた非売品のこのホーンで。
ワイド35㎝、20㎝弱の高さという決して大きくないホーンを付けたWestrex 30150-E。
音はこの佇まいと同様に味わい深く素晴らしい。
(竹田)