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最近では全く良いものが入らなくなってしまったJBL C38 BARON(バロン)とC36 VISCOUNT(バイカウント)。
しかしサイズ感といい音といい、ご要望も多い・・。
そこで、ユニットやネットワークは在庫しているので、フィンランドバーチでキャビネットを作成する・・ということをやっております。< 納品例 >

頂いているリクエストで作成したBARONとVISCOUNTのキャビネットが仕上がったので、まずはBARONから調整。
※今回は全て8Ω / D130(フルレンジユニット)と075(ツイーター)、N2400(ネットワーク)の組み合わせ

そしてキャビネットにユニットを取り付けたら、まずは音出し。
今回は最初から良い鳴り方・・・響きや音色の素性が良いと言ったらよいか。
ですが、もちろん吸音は必要です。
(この状態の時は、背板は付けていない)

ユニット取り付けから吸音は、全て彼、若手・白川の仕事。

一言で「吸音」と言っても、吸音材の厚みとか、量とか場所とか、色々あるのですが、
基礎としては、これまでの経験値で「この場合はこう」と言うのがあります。
(最近はアップされていませんがずっとやっています <新米白川日記>)

とりあえず今まで通り吸音材を張り、4点のネジ留で音を出してみて、さてどうか・・。
この段階で音チェックに呼ばれるのですが、最近は白川から提案があります。
「今までの吸音とちょっと変えたほうが良いと思うところがあって、その有り無しを聴いてほしい」とのこと。

素の状態(背板なし、吸音なし)から吸音をして背板もつけた状態は当然良くなってはいて、低域も出ますし、輪郭も明瞭になっていきます。悪くない。おっけー、白川君のお勧め聞かせてください。
最初は片側だけ変えて聴いてみる。高さが出て広がります。お・・これは両方入れてみよっか。

・・・わー。

JBL BARONだから当然、ピアノトリオや、トランペットなどのJAZZ、ロックもイイのですが、、、
ベートーヴェンの弦楽四重奏16番、いろんなものを包んで良い物へと昇華してくれるような花弁の重なりのような芳醇な響き
1961年のウェストサイドストーリーのサウンドトラックの「Intermission」(当時は長いから幕間の為の楽曲)は、その後の「I Feel Pretty」などで構成されているこの曲は、オーケストラがスピーカーから離れ上に奥に広がり前に音が飛び出してくる。まさにミュージカル。
歌詞がしみじみといいVaundyの「タイムパラドックス」、ジョン・メイヤー「Gravity」、美しい水面のようなエンリコ・ピエラヌンツィとイタリアの室内管弦楽団の「Skating in Central Park」、ピエール・モントゥーの振る「トリスタンとイゾルデ」の前奏曲・・・
音階の動きがしっかり追えて、曲の良さがしみじみと感じられます。
少し切ないような、懐かしいような、アップダウンの激しくないものが今日の雨の日の気分に合う。

「今回はちょっと高域がきつく、高さが出ないので、上も足してみたんです」と白川。

この音をそのまんま取っておきたいけれども、実はこれがなかなか難しい。
「今は背板の4点留で、ネットワークも外だしなんで、、、」
しかも雨だしね・・。
明日までこれで鳴らして、もしかしたらもう少し吸音を減らすか考えようか。

朝の店内、音のパトロール隊長、加藤が来て、朝鳴っていた音からの変わりように驚き「すごいねぇ、もうなんでもできるねぇ」
弊店の棟梁、金野を呼びに行って、、、なんとなく雨足も優しくなったような土曜の午後デシタ。
(竹田)

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