JBL C34縦型Harkness (ハークネス)が入荷いたしました!
ハークネスが発売されたのは、思っていたたよりもずっと古くて1952年でした。
今回入荷したものは、55−6年頃のもので、初期バージョンとされるもの。
まず、キャビネットの作りから。
パラゴンもそうなのですが、初期は全て米松のみで作られています。
その後パーチクルボードとのミックスになり、後期になると、パーチクルボードのみで作られているとのこと。
パラゴンの場合は、オール米松だと、ウーファーがキャビネットの内側に向かってあたり、さらに長くロードをかけて響き過ぎるため、中期に入ったパーチクルボードとの米松のミックスがよいとされています。(これもパーチクルボードの密度や、米松とのミックス具合で、さまざまあり。)
C34縦型ハークネスは、コーナー型でリアローディングホーン。ウーファーも正面向き。
また、D130はそれほど下まで低域が伸びていません。なので、米松の響きがいい具合のエコー感になって、パーンっと前にくるのだそう。
確かに、数年前に聞いた中期のC34よりも明らかに鳴りがスカーッとしています。
ちなみに、初期モデルはモノラルで、ツイーターが右上に配されます。
今回入荷したものは、ステレオ再生で違和感が出ないように、あとからフロントバッフルを同じ米松で作り直し、
左右チャンネルがシンメトリーになっています。
ユニットは、D130(フルレンジ)と075(ツイーター)、黄金の組みあわせ。
いずれも初期の16Ωで揃え、左右マッチドペアされたものを用意しているので左右の音圧差なども安心です。
サウンドクリエイトでは一時、C38バロンやC36バイカウントを随分扱いました。
そのほとんどがD130と075の組みあわせでした。
(今は、バロンもバイカウントも、以前仕入れたのと同じレベルのものを探そうとすると、20万くらい上がってしまっています・・。
買われた方は絶対ラッキー。)
お客様から頂いた1964年のカタログを見れば一目瞭然ですが、もともとはキャビネットとツイーター、ウーファーの組み合わせが選べたのですね。
例えば、下のカタログに倣えば、同じC34縦型ハークネスでもシステム001は、D130A(ウーファー)と175DLH(スコーカー)。
システム030がD130(フルレンジ)と075(ツイーター)の組み合わせ。(ネットワーク無視してスミマセン)
C40横型のほうが少し後で、1957年。
175の初期は振動版がすごく薄くて素晴らしいが、あとになっていくと振動版が厚くなってしまう。
振動版が厚くなると高域が伸びなくなる。
075はもちろんツイーターなので、175よりはるかに高域が伸びる。
D130もフルレンジだから結構上が伸びていて、ツイーターの075とのつながりがよい。
いずれにしろ、エンクロージャーとのマッチングになるから、実際に見て聴いてみないと何とも言えないけれど・・
と教えてもらいました。
「要するに聴いてみて、良かったらいいわけですね!」と、雑な説明の聞き方をしていたのですが、
良かった時の「なぜ」の裏付けになるから、ちゃんとメモをしておこうと思います。
紙のメモはすぐにどこかへ行ってしまうので、自分のブログに載せるのが一番安全。
ところでJBLのバッチも変遷があり、これだと何年ごろ。。などそれぞれあるようですが、どうもはっきりしません。
このバッチが1960年代は使われているようですが、その前からという話もある。
今回のC34が1955-56年頃のものであればまた違うバッチが付くはずなのか?
バッチはなくなってしまって付け替えられた可能性もあるし、何とも言えないのですが、
なにせ60年前のことだから何が真相かわかりません。
ただ、米松のみで作られた初期のキャビネットであることは確かで、
その頃のユニット(D130も075もあとになって8Ωになるが今回はそれより古い時代の16Ωのもの)を使っていることも確か。
いずれにしろ、弊店で扱うヴィンテージはまず聴いてみてバランスやつながり含めて音の良いものだけを集めています。
箱の響き、ユニットの鳴り、そのマッチングが、実は意外と難しいのです。
ちなみに外装は本国アメリカで表面のみ仕上げをやり直したものとなり、
サランネットは張り替えていますが、オリジナルのデッドストックのものを使用しています。
ところでハークネスといえば、私にとって非常に重要なスピーカーです。
オーディオの洗礼を受けたのが、ハークネスでした。
縦型に足がついていたのですが、実は横型のものだったというのが後々ヴィンテージを扱うようになってからわかりました。
いずれにしても当時の私には衝撃的な音でした。
私のオーディオ遍歴その1 始まりはHarkness
Legato一言ブログ(竹田)