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英国小型ヴィンテージとNuPrime、肩の力の抜けたスマートカジュアルな組み合わせ!

EMI DLS529は通称アビーロード・モニターとも言われる英国EMI自社製のスピーカー。
EMIが独自開発した複合楕円コーン型のフルレンジユニットはDECCA DECOLAにも搭載されるものとほぼ同型で、これにツイーター2基を組み合わせたもの。

ちなみに、EMIのこの頃のスピーカーは、OEMなどでなく自社設計のもので、当時のレコーディングディレクター、かの有名なウォルター・レッグが、その頃のスピーカーの音に満足できなかったので自社で作ろうと提案したというのですから、気合の入ったモニタースピーカーというわけです。

音を聞けば納得。骨格のしっかりしたストレートな鳴り方はまさにモニター的ですが、当時の技術か感性か、ただ、音を鳴らすというのではなく、きちんとハーモニーして、そこに陰影や豊かさが出るところなど、イギリスという国の奥行きを感じずにはいられません。大型スピーカーではなく、ブックシェルフを少し伸ばしたくらいのサイズのスピーカーの話なのですもの。

波型になった細い金物で作られたバッフルの意匠もなんてことないように見えて、音の拡散と光の拡散を兼ねて、音質的にもモノとしても精度を上げているに違いありません。シンプルだけど手を抜かない、飾るよりよほど難しいことだと思います。

音もそんな感じで、華美でないけれど、誤魔化さない、そんな感じ。

お客様からは「意外に小気味良く鳴る」と。本当にそう!ただマジメとか頑固とかそういうのではないのです。また、それをNuPrimeのプリメインアンプがしっかり引き出すのです。

齢60年前後と思われるこのスピーカー。お客様の先々のご計画にピッタリはまりました。時を経てなお光を放つ、食器、置き物、調度品など、そういうものを今からなんとなく集めていらっしゃるとのこと。

それにしても、年月を経てもなお新鮮な表情を見せてくれるEMIでした。英国奥深し。

(竹田)

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