ヴィンテージJBL といえば、ハーツフィールドやパラゴン、ハークネスなど サウンドクリエイトでも人気のある機種は 何度か入荷しています。
中でも C36 Viscount(ヴァイカウント)は、現在では人気が集中して状態の良い個体が全く手に入らない状況。
今回 入荷した C37 Rhodes(ローズ)は、ヴァイカウントを横長にした様なスタイルでユニット構成はほぼ一緒。(といっても、当時は 箱の型 C36 とかC37 とかetc に 175 + A130 もしくは 075 + D130 といった様にオーダーして組んでいたので全てが同じユニット構成にはならない)
容積がヴァイカウントの倍くらいあるのでゆったり鳴るのか〜⁉︎ まずは OCTAVE V110SE で目覚めの暖機運転です。
鳴らしながら細部をチェック。
初期型の Rhodes は箱全体に米松が使用されていて、盛大に箱が鳴る(中低音が膨らむ)構成だったのに対し、今回入荷の中期型(1960年代初頭)は、前後のバッフルのみ米松を採用。上下左右のキャビネットは鳴きを抑えたパーチクルボードが採用されていて全体の響きをコントロールしています。
同じ時期のパラゴンにも同様の考え方が採用されていて、米松とパーチクルボードのハイブリッド型としています。(当時の製材技術としてはパーチクルボードは新しいハイテク素材の様な存在だそうです)
スピーカーユニットは、A130ウーファー +175 という組み合せも多数あるようですが、本機は フルレンジ D130 に 075 を組み合わせ N2400 ネットワークでつなぐ、とても音のつながりが良い構成。
突き板木材は貼り替えずに、オリジナルのものの表面を薄く削りリフィニッシュ。60年代当時の木目が美しく蘇ります。
ミッドセンチュリーモダンの時代に生まれた無駄のないデザインが語りかけてくるかのような佇まい。
少し暖まってきたところで、ボリュームを上げてみようかな、と流れていたのは マイルスの Four & More 「Walkin’」
ちょうどドラムソロパートが始まったところで スカーッとヌケの良いスネアのリムショット‼︎
シナトラの「Born Free」で驚いたのは 音離れの良さ。しっかり横幅のあるキャビネットから箱の音がしてくると想像していたところ、目の前にぴったりとシナトラがいます! パーチクルボードを米松と組合わせたのはこういった効果なのでしょう。
一番意外だったのは、マルティン・シュタットフェルトの 「Bach Piano Concerto」
優しく芯のあるピアノのタッチは、とても爽やかで かつ奥深さもあるもの。
ジャンルを決めつけずに色々と聴いてみたいですスピーカーです。
サウンドクリエイトラウンジでご試聴していただけます。いつでもご用命下さい。
金野