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現行品のLINN DSM、ネットワークプレーヤーは、現在実にいろいろなことができます。
今日は、音楽を聴くことに関して大まかに何で聴くのが「より」よいかご紹介します。

・Bluetooth(現行のみ)
・Airplay2(以前のモデルではAirplay1)
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・Spotify
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・TIDAL、Deezer
・NASによる音楽再生
・ROON Ready(現行品以外はROON Tested)

・・・とこれだけ再生できます。
ちなみに——–で区切ったところは、明らかな音質差があります。

====で分けた上と下については、そもそも再生方式に大きな違いがあります。
上の2つ、BluetoothとAirplayに関しては、まずはiPhoneやiPad自体が再生機であるという点。
(その上で、Bluetooth伝送よりもAirplay伝送のほうが音質が音が良い)

じゃあ
「Apple Musicは”ロスレス(ALAC)”になって従来のものより音が良くなっていて、DSMはALAC対応しているから、ロスレスで再生しているんでしょう?それで十分♪」

ちょっと待ってくださーい。
そこ違うのです。

Apple Musicは確かにロスレス再生になりましたが、LINNでAirplayを受信した場合、PCMに変換されたものを再生します。
なので、厳密にロスレス再生しているとは言えないのです。

ちょっと先を急ぎます。
お次はSpotify。

Spotifyは、音楽配信サービスで、プレミアム会員であれば「Spotify Connect」再生が可能。
LINNはSpotify Connectに対応しているため、スマホで操作していても実際のデータ送信は、スマホで再生したものではなく、直接インターネットからLINN DSMに送られています。

だからBluetoothやAirplayよりも良さそう・・・。
なのですが、spotifyの最高音質は320kbps。
ちなみに、Spotifyを再生すると、44.1/16 – PCMとDS / DSM側に表示されます。
Spotify Connectでは、サーバー上のMP3データをPCMに解凍して各機器に届けているらしく、つまり、スペック上は PCMなのですがもともと10分の1程に間引かれていたMP3データをPCMに変換しているので音質としてはMP3と同等ということになります。

そうすると、Apple MusicのAirplay再生とSpotify Connect再生とどちらがいいの?という感じになってなってきます。
個人的な印象では、この2つはほぼ同等。
特にAirplay2になってからは、iPhoneのボリューム調整とDSMが連動するようになったので、使いやすさもあり、Spotifyと比較してどちらがよいかは、ラインアップされている音楽で判断しちゃっていいかなと思います。

「じゃあどちらか好きな方で楽しめばいいね。」
いや、もうちょっと待ってくださーい。

TIDAL、Deezer、NASの再生、ROON Readyなどは、元々の音源の情報量が、これらとは比較にならないくらい大きいです。
TIDAL、DeezerはFLAC(ロスレス)で、基本的には44.1kHz/16bit FLACで再生します。
NASに入れた音源はリッピングの際の設定やハイレゾファイルによりますが、音質にこだわってリッピングしていれば、基本は44.1/16のFLAC。

例えばNASの中の音楽ファイルを1つ見てみます。

こちらは、FLACのLossless umcomplessed(※)でリッピングしたもの。
オリジナルサイズ、37.13MB、ビットレート1,411kbps。

下はMP3ファイルのプロパティです。
サイズは元のデーターの91%も圧縮され、3.58MB。
ビットレートも136kbps。

この違いだけ見ても、それだけ情報が失われていることかと。

実際に音楽再生した時にMP3で聴くと勢いがあったり明るく聞こえたり、まとまり良く聞こえることがありますが、FLACなどで再生すると、音量をあげてもうるさくならず、ミュージシャンのもっと細やかな所作、息遣いや楽器の鳴らし方、響かせ方などが聞こえてきます。
音楽に命が灯る感じです。

Apple MusicやSpotifyで十分楽しめますが、同じ機械でもっと聴ける・・ということだけは是非知っておいてください。
リッピングが大変であればTIDAL、Deezerやこれから日本で始まるQobuzはCDリッピングやそれ以上の音質で聴くことができます。

検索能力の優れたROON Readyも、音楽ファイルの持っているデータ量そのまま聞けます。

※おまけ
dBpowerampでリッピングするデータは、FLACの「Lossless Encoding」のレベルを選択することができます。要は圧縮率をどのくらいにするかということで、音楽用のHDDの容量が十分であれば、音質が良いに越したことはないので、「Lossless umcomplessed」(圧縮しません)がお勧めです。

リッピングソフト「CD Ripper」の中央下段で一度設定すればその後はずっと設定を変えるはないですし、一つのファイルくらいなら「Convert」を開いて「Umcompressed」を選択して変換可能。

NASの中のFLACファイル、全部Level5でリッピングしていた・・と言う場合は、Batch Converterでまとめてできます。
(ただし、上書き保存にしないとデータ量が嵩んでNASに入りきらなくなったりするのでご注意)

(竹田)

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