LINN EXAKTシステムの送り出し、ヘッドユニットとなるKLIMAX HUBを、従来型から最新モデルへとアップグレードされたこちら。
私の入社前からのお客様で、弊店の広告や、ブログの納品例で既に何度かご登場頂いております。
昨年末お久しぶりのご来店で、新しくなったモデルを聴いていただく機会がありました。
ご来店のメインはLP12のRadikalの新型のご試聴。
聴かれる前は「HUBではそんなに変わらないと思う、、」と、悠長な構えと言ったら失礼ですが他に言葉が見つからない、、そんな雰囲気で聴いていらしたのが、聴き始めた途端「やばい!」の連発(納品不在だったため代わりに対応した金野談)で、もう一度熱を冷ましてからと、2回目にご来店頂いた折にご注文を頂いたのでした。
「解像力を追いかけるのとは異なる、なんと表現していいかわからないほぐれ方が魅力的」
年末、なんとか滑り込み間に合ってのご納品で、接続してすぐから音楽が止まらない。
「意地悪な曲だけど」とかけたウクライナのオケアンエリジィのバラードはSusy 。声のイガイガがうるさくならない、背景の音のヒダヒダが感じられる。
最近になって改めてリリースされた戦争映画「1917」のサントラにやっと収録された、一番聴かれたかったアカペラの曲。
マーラー5番のアダージェットはブーレーズ。楽器の少ないもの、ヴァイオリンソナタもかけられ「全然オッケー、これは得意ですね」と軽く確認、、、まだまだあります。
曲の合間合間にぽつりぽつりと発せられる言葉を記憶するのが大変で、シンプルになってしまいますが、「作り込んだ音楽の、これまで聴こえていなかった音がたくさん聞こえる。とにかく情報量が多いし、嫌味じゃない低域で、壁の向こうまで音楽がある」などなど。
私は、横で聞いていて妙に視界がクリアになってゆきました。お客さまのかける音楽と本棚の本や映画のタイトルが相まって、お客さまの思考の森へトリップするような静かな師走の午後。
物が溢れかえり、海外のものでも古いものでもなんでも手に入れられそうな世の中ですが、「絶対に手に入れたいと思うものが減った」とのこと。そんな中で、「気に入った装置があってそれで音楽を楽しめるというのは言葉にできない贅沢だと痛感します。」とお話しされるお客様は、初めてお目にかかった時から、音楽という宝の山を、オーディオシステムの選定含め、丁寧に大切に聴かれていらっしゃいました。
お客様の音楽との付き合い方に、入社当時からずっと憧れ続けています。
(竹田)