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LINN LP12の初代は、プリンス(木枠)にスリットが入っていました。
途中からスリットの無いシンプルな今のプリンスになりましたが、昔をご存じの方からスリットのあるプリンスの要望が後を絶たず、以前も限定数などで復刻されましたが、少し前からオプションとして、正式にラインアップ入りしました。

そんなこんなでMAJIK LP12、スリットタイプのご納品です。

以前ハイエンドまで構築されたオーディオをご新築に合わせて一旦整理されたというお客様が、新たな相棒として選ばれたのはBrodmann VC1でした。
その後LINN SELEKT DSM/KAをお納めさせていただき、当初からいずれアナログもそのうち再開したい・・とお話いただき、時期が悪くご注文からまた4か月もお待たせしてのご納品となりました。

システムはこれにて完成!

長いことお待たせしていた間に、1枚1枚大切にLPを集められていたとのこと。
「昔、CDを買ってはLPを処分していたから、本当に大切なものだけ数枚手元に残していたのだけど、ほとんど手放してしまって・・」残念・・と口にされながらも、新しいミニマムなライブラリの1枚1枚に思い入れが窺えます。

本当はLP12を買ったのだから、立派な音楽を聴かないとと思っていたんだけれど、どうしても昔から聞いているものに手が伸びてしまうというお客様に、LINNのUKのスタッフが日本に来た時の話題を。

技術のスタッフなど何人かに、普段は何を聴くの?と聞いたら皆UKロックとか、ポップスとかそれぞれで、「クラシックやJAZZは!?」「あんまり聞かない」なんて話がありました。

以下はお客様から後日頂いたお便りです。
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お二人がお帰りになった後、Fazioli(※)が紹介しているMARKUS SCHIRMERが演奏するピアノ版「展覧会の絵」(B面がPlay Backwards)を聴き、またまたピアノ愛が深まりました。
この一曲だけでLP12を買った甲斐があります。
※イタリアのピアノメーカー

お二人の話の中で、Linnのスタッフもロックを聴いていると伺い、「あっ、いいんだ、それで。」と思ったのが最大の収穫でした。Brodmann + Linnを紹介いただき、ちょっと背伸びして、クラッシックやジャズの名盤を聴きながら、やっぱりいいものはいいねぇ、と思っていましたが、LP12を迎えるにあたって、レコードを物色していると、いつの間にか学生時代に好きだった音楽に回帰していました。
それではせっかくのBrodmannやLinnががっかりするんじゃないかと遠慮していましたが「いいんだ、それで」とわかったので、40年ぶりにBrian EnoやHarold Buddのアンビエントをかけてみると、漂うような音楽の中に、以前には気付かなかった音の重なりや動きが見えて来ました。
それではと、Penguin CafeやBeatlesのAbbey Road、さらにはBlondieまで一挙にかけると、なんとも躍動的で魅力的です。
これは気をつけないとハマるなぁと思いながら、不思議な造形のカートリッジを見ると、Adikt.と書いてあり、なるほどLinnの狙い通りだと思いました。
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このあとも素敵な文章が続くのですが、ここまで。。。


モノとの付き合い方には色々あって、たくさん集めたい、本当に好きなものだけ置いておきたい、色々あって、私は様々なお宅に伺って、そうしたお客様の思い入れに触れるたびに「なんて素敵なんだろう」「こんな風に音楽と向かい合いたい、モノと在りたい」と思います。

人と音楽の間の親密さは、誰のものでもなく、その人だけのもので、そういうのを目の当たりにするたびに、自分と音楽はどうだろうか・・とつい比べたり焦燥感や嫉妬、憧れを持ったりする。
悪い癖です。
(竹田)

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