夏の終わり、LINN SELEKT DSMを導入されたお客様から、臨場感に富んだ嬉しいお便りをいただきました。
スピーカーはLINNのかつての人気を博していたNINKA(ニンカ)。
シンプルでお洒落なこのモデルは、仮想同軸型で密閉型。
しっかり鳴らそうと思うと、意外と手ごわいスピーカーでした。
これをLINNのマルチアンプMAJIK6100(100W・6ch)でAKTIV駆動(※)すると、スピーカーから音が離れるわ、縦横方向に音場が広がるわ、一音一音が分離するわで、ベールが剥がれるどころの騒ぎじゃない・・。そんなスピーカー。
お客様は、まさにそのように鳴らしていらして、送り出しがLINN CLASSIK MUSIC(アンプ一体型CDプレーヤー)でしたが、この度機器の不調により、SELEKT DSM/Kを導入。
SELEKTのプリ出力モデルから、MAJIK6100に接続され、NINKA AKTIV駆動というシステムとなったのでした。
※AKTIV駆動に関しては>>>こちら ちなみにその進化型がEXAKT
================================
以下、お客様から頂いたメールより
・・・
とりあえずspotifyで最近のお気に入りの、
ジョシュア・レッドマン、ティグラン・ハマシアン、ブラッド・メルドー、カート・ローゼンウィンケル、アヴィシャイ・コーエン、クリス・モリッシー、マーク・ジュリアナ、フォニー・ピープル、ジェイムス・ブレイクなどを流してみました。
CDプレイヤーよりも全然音がよいのに吃驚してしまいました。
ああ!もう、これで十分だなと思うほどで、音質の変化にただただ驚いて、土曜なのに掃除や料理も忘れてぼーーっと聴き入ってしまいました。
ストリーミングでこのクオリティというのはすごいですね。
さらに、おかげさまでNASの設定もすんなり済みまして、最近観て大好きになった映画「ディリリとパリの時間旅行」で使われた、ドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」、ユリ・ケインのワーグナー、サン・マルコ広場でのライブ録音、レナード・コーエン・・・など好きなものからリッピングして聴いてみましたが、ものすごく良くなってました。
声、楽器の音の輪郭がはっきりしていて驚きました。
レナード・コーエン最高でした。spotifyより全然いいです。
40年近くデヴィッド・ボウイのファンなので、意を決してボウイのライブ盤をリッピング、(ボウイのほとんどの作品は録音が良くないのです。残念ながら。)死後発売されたボックスや最近リマスタリングされたものの中から74年のライブアルバム「クラックド・アクター」を。その中のsweet thing ~Candidate、space oddityをリッピングして聴いてみました。
やはり録音はよくないのですが、ボウイの声がはっきり聴こえるようになりました。
当時は、グラムロックのスーパースターからプラスティックソウルの先駆者として急速に変化している時期で、英国訛りのボウイが必死に黒人の真似をして歌っている様子がよくわかります。
仏教徒として心の平穏を求めたはずが、コカイン中毒になりながらアメリカと格闘して、そのタイトルが「クラックド・アクター」なんて。
そうまでして前人未到のポイントを目指す、かっこ悪いんだけどかっこいいボウイに涙が止まらなくなり、中高生当時に戻ったような音楽体験をすることになりました。
sweet thingでは、ディートリッヒのような風貌のボウイが、トレンチコートとジャケットを脱ぎながらのパフォーマンスと歌詞だったので「これはセクシャルな歌なんだ」と思い込んでましたが、誘惑しているのはクラック=コカイン=sweet thingなのかもしれないと思うとこわい歌詞だなと改めて思いました。
すごい機器です。ほんとに。
スピーカーも、もうそろそろダメなのかなと思ってたんですが。
これから新しい発見ができそうで楽しみです。
声の聴こえ方がすごくよくなった印象なので、オペラや歌曲も調べて聴いていきたいと思います。
この一週間、すごいすごいと大騒ぎして聴いていたので、ついながながと書いてしまいました。
=========================
音楽って不思議。
聞きなれていたはずのものも、聞こえなかったことが聞こえることで、より深く愛せる。
そんな驚きをもたらすものって、オーディオ以外にあるのでしょうか。
(竹田)