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昨年のことになりますが、SELEKT  DSM CLASSIC の最高峰DAC ORGANIK搭載モデルをご納品しました。

お客様がBrodmann F1を導入されたのは9年前。

当時ご納品の様子
その後MAJIK DSMをDSM4にアップグレードされるなどして、お楽しみいただいていたのですが、昨年他社スピーカーのご試聴の予約が入りました。「オヤ・・?」

試聴のご希望は、昨今元気な「ハイエンドブックシェルフ」マーケットのうちの1つでしたが、横で聴いていてなんとなくお客様の感じられている「もやもや」がわかってきました。
聴かれる音楽ジャンルが大幅に変わったとか、オーディオ的に今のシステムが少し飽きてきたから別の音を楽しみたい・・そういうご希望ならまだしも、お客様は完全なる音楽愛好家。

この日試聴していただいていたスピーカーは確かにBrodmann F1に比べると解像度が高いのですが、一方でBrodmann特有の「楽器的な倍音」は他のどのスピーカーにもありません。


それは吸音材を使っていないとか、ネットワークをシンプルにしているとか、キャビネットの構造に起因しているのですが、スピーカー独特の音色を他のスピーカーで出すのは難しいし、お客様はそもそもそこを気に入っていらした。

そこで、ちょっとご参考までに・・と、Brodmannで、MAJIK DSM4からSELEKT DSM ORGANIKに変えて、聴いていただくことにしました。

ORGANIKで一層有機的になったBrodmann F1の更なる魅力に「これです!」

ここからはお客様のご感想を、、、

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あれからしばらくお気に入りの音源を聴いてみましたが、少し試聴するつもりで、そのまま聴き入ってしまうほどに美しいです。本当に良いものをいただきました。

これまでの Brodmann とのシステムでは倍音の表現は素晴らしいものの、それゆえに共鳴音が飽和しがちで、楽音のディテールや奏者の表現の機微、残響の再現性などに課題を感じていました。
Space Optimization が解決になるかと思い試してみましたが、課題は解決方向に向かうのものの、今度は Brodmann の豊かな倍音が削られ、楽音が少々痩せてしまう不満がありました。
豊かな倍音共鳴と高い音楽性の再現は無いものねだりなのかな、と諦めていたのです。

ところが、SELEKTの ORGANIK DAC ではこれが見事に両立するではありませんか。
無伴奏バイオリンの涼やかに伸びる高音と残響、教会音楽を奏でる古楽器のディテール、オーケストラの綾が織りなす音色の移り変わり。息を呑む美しさとはまさにこのこと。

特に嬉しかったのは、いままでは「ここのフレーズ、どうしてこんなにもたつくんだろう?」と不思議に思っていたところが「あ!ここってこの後の旋律を受けるために、あえて間を取ってるんだ!」と奏者の表現や感情が楽音から伝わってくるようになったことです。

これは本当に嬉しいことでした。

あれから電源タップをお送りいただいたものに変えて、さらに良くなりました。
これまで敬遠していたブルックナーの交響曲や、最新の現代音楽など、領域を拡げながら、音楽に浸っています。

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私が付け加えることは、もう何もなく、、。音楽とお客さまがオーディオによってより深く結びついていることが、ただただ嬉しいです。

(竹田)

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