こんなにシンプルなシステムで、ちょっとしたAVアンプを凌駕するサラウンドになるなんて信じて頂けますでしょうか。
これは、LINNのEXAKTサラウンドのフロントch、Series5 520。ファブリックを纏っていますが、2ウェイで片側2ch各帯域専用のDACとパワーアンプを搭載したEXAKTスピーカー。気軽に見えて中身本気のモデルです。
アンプは、TVラック右側。シンプルでスタイリッシュなSELEKT DSMに、リアスピーカーB&W用の2ch分のパワーアンプと、HDMIモジュール、それにサラウンドプロセッサーモジュールを組み込んでいます。
これでサイズが、35センチ角の11.3センチの高さ。AVアンプより遥かに小さい、、。
この筐体に更にモジュールを追加して、パッシブスピーカー5.1chのサラウンドをすることももちろんできますが、今回はEXAKTスピーカーと組み合わせたので、接続は↑こんな感じ。
リスナーとスピーカーの距離、それに合わせた出音のタイミング、これは同社のアカウントオプティマイズで対応します。
例えばこんな感じ。
各スピーカーのゲインももちろん変更可能。
そして、昨年リリースされたサラウンドプロセッサーモジュールで、ほとんどのフォーマットを網羅。
B&Wのリアスピーカーは本棚に置かれていますが、結構丁寧に測って高さや角度なども入力してありますので、かなり正確な距離の計算をしていると言えるでしょう。
これで、スーパーナチュラルでスムーズなサラウンドを獲得できるのです。
お客様は20年近く、LINNのKATANという、2ウェイ・バスレフのブックシェルフのスピーカーをメインで使いでした。
長い間にはAKTIV化され、-AKTIVと言っても、世の中のアクティブスピーカーとは少々異なり、専用の各帯域用のモジュールと、2ウェイスピーカーの左右、計4ch分のパワーアンプで、贅沢に駆動する-(つまりEXAKTスピーカーの一歩手前)ので、KATANはしがらみ(主にスピーカー内部のネットワークの帯域分配など)から解放されて音がスピーカーから離れて伸び伸びと鳴るので、その違いを経験された方は皆さんホントに驚かれます。
→詳しくは<AKTIVについて>
AVアンプでサラウンドをしつつも、フロントはそんな風に鳴らしていらしたので、いつしかシンプルにしたいと思われたのか、店頭で、同シリーズの530とも比較されましたが、KATANの進化系のような520の音はお客様の聴かれている音楽と、どれもこれもピッタリで、この度のEXAKTサラウンドのご納品もなったのでした。
セッティングしながら、伺えば、数年前、創業者のアイバー・ティーフェンブルンがオーディオショーで講演をした際にたまたま居合わせられたとか。
その時のことは人伝てによく聞きますが、ほとんど音楽がかからず、45分しゃべり倒したとか。話は製品のことではなく、宇宙とか哲学に及んだとか。
その時のアイバーの話に「このオヤジの作るものは絶対信頼がおける」と確信されたのだそう。
膨大とも思えるブランドやメーカーの中から、このシステムをスルッとスマートに「セレクト」されたお客様でしたが、そんな背景があったとは、、。
それにしても、そんな話を聞くにつけ、その場にいたかったとつくづく思うのです。
人生は巡り合わせ。
(竹田)