弊店2階にあるJBL パラゴン。
既にご納品先の決まっているものなのですが、お客様からのご要望もあり調整中です。
1957年に開発され、80年代まで作られたパラゴン。
今までに様々なものを入れて、体験してまいりましたが、
キャビネットが米松のみで作られる初期のものや、パーチクルボードのみの後期のものより、
米松とパーチクルボードにより構成されるキャビネットの中期の時代(ウーファーは絶対150-4C)のものが響きなどの点から一番魅力的だと、個人的に思っております。
今日の話は、そのパラゴンの内部配線について。
この時代のものは、もともと内部配線のケーブルが付いていなかったり、オリジナルのケーブルは切れてしまっていたり。
今までも、店で用意して、お客様のお好みを伺いながら色々やってまいりました。
ちなみに、特に避けたいのはツイスト型。
ノイズには強いですが、振動にあまり強くないとかで、キャビネット内部を響かせるパラゴンには不向きと思われます。実際、音が詰まってしまって、響きの豊かさが出にくいです。
先日までは、LINN K10という極細芯線を寄り合わせたケーブルを内部配線に使っていました。
このケーブルは、ヴィンテージのスピーカーとアンプを接続するスピーカーケーブルとしてよく使っています。(写真の右側の銅色のもの)
LINN MAJIK DSMやSELEKT DSM一体型で鳴らしていて、おおらかにゆったりとした響きで、この1台でパラゴンこんな風に鳴るの!?
と聞く人に驚きを与えていた次第。
しかし、お納めさせていただくところでは、新しく出たOCTAVE V70AとLINN KLIMAX DSMで鳴らされることになったので、K10だと、ちと強い印象。
そこで、もっと細いケーブルを手配し、これに替えてみました。
ちなみに、1本1本の線はK10のほうが細いのですが、束としてはK10より3-4割ほど細いもの。
まずはウーファーとネットワークの間の線をこれに変更。
片側だけ変えて聞いてみたところ、比べてみてあきらかにK10のほうが圧力が強く、飽和している感じになり、細い白いケーブルのほうが響きが豊かでスピードが出ます。
ウーファーとネットワーク間を両ch変更し聞いて、更に375とネットワークをつなぐ線も変更の必要があるとみて、変えて、また一段とよくなりました。
075とネットワークも変えたほうが良いことを確認し、明日へ。
ケーブルは太い方がいいと思うのも、内部配線に関してはまた異なる話で、ものごとには何でも加減とか塩梅が必要ということをまた今日もオーディオに教えてもらうのでした。
ちなみにこの白いケーブル、実はLINN UNIKやGallo Acouseticsに付属されるケーブルで、社内では「K5」(K10より細い)などと呼んでいますが、他の細いケーブルと比較しても、これが中々よい感じなのでした。
(竹田)