オーディオショーで評判だったCOAX411、3日間弊店で聴くことができました。
価格も高くなっていますが、その分音のクオリティも爆発的に変わっています。
5年ぶりに改良された同軸リボン。
振幅の大きいミッドレンジの背面には、新たにダンプ材を追加。
ダンプ材の素材も吟味に吟味を重ねたようです。
加えて、リボンユニットを収めるフレームも見直されたとのこと。
送られてくる信号の繊細さ、音楽のダイナミクスに素早い対応が求められる部分ですから、動作部だけでなく、動作部をホールドするフレームの影響の大きさ・・容易に想像がつきます。
従来よりも更に厚いプレートを採用したことで、細長いネオジム磁石を取り付けるための溝を加工でき、この溝に細長いネオジムマグネットをはめる作りになったため、以前よりもフロントプレートにしっかりと固定することが可能に。
また、COAX311、511,711以降、リボンのコアキシャル部分が緩やかなホーン上になっているのは今回も採用されていました。
オーディオショーで聴いた印象では、全体的に盤石で分厚くなっている感じがしました。
一音一音がというのではなく、音楽の表現力に厚みが増して、密度が濃くなっていると感じましたがが、さて店ではどうだったか・・?
ショー会場では、OCTAVEの組み合わせだったので、弊店では、LINN KLIMAX DSM3とTWIN/DやSELEKT DSM-KAで。
(ご予約もたくさんあり、NuPrimeで鳴らす暇がなかった・・)
大変贅沢な組み合わせで聴いて、ちょっと椅子から立てなくなってしまったのは、
マイルス・デイビスの「Live Around the World」のTime After Time。
生演奏で感動するような演奏に出会ったときに、次の瞬間にどんな景色が待っているのか、それを見たくてどんどん音楽に引きこまれていく時があります。
そんな感じ。
これは生ではなく録音で演奏自体は知っているから、どんな音を聴かせてくれるのか、それを聴いているうちにマイルスのこの瞬間の音の背景に、どんな気持ちが、どんな人生があったのか、そんなことを考えてしまう。
一概には言えないけれど、私はヴィンテージスピーカーのRCAなんかで聴いているときに、JBLのネアカな感じと比べて、ちょっと音楽について考えさせられちゃうところがあって、そこが私にとってのRCAの魅力なのですが、今回のPIEGAはただ美音とかではなく、そういうところがあります。
他に聞いて素晴らしかったのは、
シューベルトの未完成(ブロムシュテット指揮)、ラヴェルのボレロ(ブーレーズの指揮)、ラヴェルのピアノ協奏曲の2楽章(デニス・コジュヒンのピアノ)、マイケル・ジャクソン「Will You Be There」「They don’t care about us」などなどで、
特に驚いたのは、コーネリアス「Drop」で全くブレがないところや、オーディオで聴くのは難しいのかと思っていたNujabesが初めて期待をはるかに超えた音楽再生をしていました。
短い時間の試聴だったので、まだまだ聞きたい曲はあったけれど、ついついライブとか、新しめの録音のクラシックなどを中心に聞きましたが、これはよかった。
久しぶりに現代スピーカーで欲しいと思った。
(竹田)