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短期間でのご試聴で、今日は1時間おきにご試聴が入っておりました。
私がご案内したお客様は、
指揮者ピエール・ブーレーズや都響を敬愛されるクラシック音楽愛好家。

今日はブリテンの春の交響曲、デュメイとピリスのモーツァルトのヴァイオリンソナタのほか、
プーランクやドビュッシーなどのピアノ曲を聴かれました。

お客様のアイドル的存在(ボキャブラリー貧困)のミケランジェリの192/24では、
「ペダリングもわかる・・」と唸られていましたが、横で聴いていて感心してしまったのは、音の立ち上がりと、響きの余韻と減衰の仕方。
先日のベルリオーズ「幻想交響曲」5楽章の鐘の音にも通じるのですが、響きの減衰が、静かな水面に水滴が落ちた波紋のように、ちょっとの破綻もなく正確に最後まで数学的な美しさで消えていくのです。
ミケランジェリの左手の動きが良く見えるので、左手がいかに音楽を立体感を与えていたかに気が付きます。
響きの重なっていく様がとても美しく、その音楽の意味合いさえ変わる・・変わるというより、初めて知る感じ。

お客様は、とにかくS/Nが素晴らしい。音場も広い。
音楽の響きが秩序立って構成されていくのがわかる。
と、曲の合間合間に静かに言葉を発し、最後には

「これはやばいスピーカーですね。本気出したくなります」とのこと。
LINN KLIMAX350をお使いなので、こちらはいずれリビング用に‥とお考えでのご試聴でしたが、危ない危ない。OCTAVEで鳴らしたら・・などとつい考えてしまうスピーカー・・とのお話し。

OCTAVEで鳴らすとまたもっと濃い口になりますが、LINN SELEKT DSM EOA(ORGANIK DACのアンプ一体型)との組み合わせは、おそらく一つの「幸せな結末」とも言えます。

ちなみに、これまでのPIEGAはいい意味でリボンツイーターらしさというのか、リボンの存在感がありましたが、このモデルでは、良い意味でリボンの強調感が薄れているというか、低域と馴染んでいます。でも絶対リボンでないとこの感じは出ないんだよなー。能ある鷹は爪を隠すというか、リボンの音色の出し方がプロっぽいなーと。

(竹田)

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