
しばらくオーディオをお休みされていたお客様。
築100年の離れをリフォームして、そこでどっぷり音楽と読書に浸りたい・・・
そんなことでシステムのご試聴にいらしたのが昨年末のことでした。
いくつかのハイエンドブックシェルフで、歌曲やバルバラを聞かれ、これはそれぞれだいぶ違う・・。
PIEGAの音が一番、血の通った音楽が聴ける。こういうのを目指している。
とスピーカーが決まり、それを駆動するアンプがOCTAVEに決まり、CDプレーヤーをSoulnote S-3、ターンテーブルをThorens TD1500でご用意することになり、リフォームが完了する春先にご納品に伺いました。
そこで待っていたのは、綺麗なポルシェカラーのWilson Audio SYSTEM6と、名機中の名機Sonusfaberのエレクタアマトール。
いずれもオーディオにご執心だったころからのもの。
ですが、Wilson Audio は、エッジがダメになっていて、音の出ないユニットもありユニットを一式お預かりして一旦メンテナンスへ。
そんなことで、まずは、SonusfaberとPIEGA COAX411でしばらくお楽しみいただきました。
しばらくオーディオから離れていらしたこともあり、ご納品からのひと月半は、楽しくて楽しくて気づいたら夜中の2時・・ということも珍しくはなかったとか。
「新しいシステムは想像以上。連日、ピエガを堪能して、かつて聞き慣れたソフトを片っ端から聴いて驚いているところです。
又、古いレコードの音の良さに驚いています。しみじみとレコードの偉大さに感服」していらっしゃる・・・とは、一度目のご納品あとのお便りでした。
さて、Wilson Audio のユニットも修理が完了し、3つのスピーカーをAudeio Designのセレクターで切り替えできるように2度目のお伺い。
ユニットを取り付けている間、PIEGAを鳴らしながら、このひと月半のお話しを伺いました。
PIEGAはピアノの音がすごくよいね。
ケクラン(Koechlin)セヴラック(Séverac)とかフランス系のピアノの作曲家を好んで聞くけれど、ディーリアス(イギリス人だけれどフランスにも渡った作曲家)のピアノ曲は素晴らしくて、PIEGAはディーリアスを聴くためにあるんじゃないかと思えるくらい。
わたしは恥ずかしながらどの作曲家も耳にしたことがなかったのですが、ディーリアスはレコード評論家の三浦淳史先生が広められて、日本ではファンが多いんじゃないか。とのこと。帰っていくつか聴いてみたのですが、水面を打つような静けさの中で生まれる音楽・・・そんな印象で、PIEGAのS/Nの良さはピッタリだと思いました。
さて、した際には、しばらくぶりのSYSTEM6の音にも感激されていらっしゃいました。
「鳴ったねぇ!」以前聞かれていたスピーカーも、システムが一新するとまた違った魅力を発揮します。
築100年を超えた納屋を改築されたオーディオ小屋。
土壁にされて響きもよく、セレクターの切り替えで簡単に聴き比べもできるようになり、「これは堪らないな、、いやぁ、楽しめますね」
お部屋には蓄音機も置かれていましたが、古くからステレオサウンドに親しまれ、瀬川先生のファンで、岩崎千明さんのジャズ喫茶にもずいぶん通われたとか。
Wilson Audio System6はおそらく30年くらい前のもの。
その前はTannoy Ardenを4,5年くらいだったか使って、JBL LE8Tを箱に入れて鳴らしていた頃もある・・・。
現代の名品と今でも名機とされるものとがこうしてひとところに集まって・・、もしかしたら夜中は彼らが音楽談議をしているかもしれません。
(竹田)