キリスト教には様々な聖人がいます。
その中でも靴の守護聖人がいます。
聖クリスピンと聖クリスピニアンという双子の聖人です。
彼らは靴職人であり、貧しい人に靴を与えながらキリスト教を広めていったそうです。
そのため靴作りの街、イギリス・ノーザンプトンでは聖クリスピンの祝日は特別な日だそうです。
彼らの名を最も有名にしたのがシェークスピアの「ヘンリー5世」です。
フランス王国とアジャンクールの戦いの前にイギリスのヘンリー5世が唱えた「聖クリスピンの演説」。
今日を無事生き延びて、国に帰るものは
聖クリスピアンという名を聞くたびに自分を誇らしく思うであろう。
そして安らかな老年を迎えられた者は、
その前夜祭の度に人々に向かって言うだろう「明日は聖クリスピアンだ」。
そして袖をめくり、傷を見せながらこう言うのだ、
「この傷は、聖クリスピアンの日に受けたものだ」。
長い遠征に疲れ切ったイギリス国の兵士たち。
対するフランス国の兵力は3倍までにおよぶ。
それでもヘンリー王はそう呼びかけ兵士を奮闘させ見事に勝利を収めました。
そして、昨日10月25日が「聖クリスピンの祝日」でした。
Berlutiのオルガ・ベルルッティ女史曰く
「靴を磨きなさい。そして自分を磨きなさい」
という言葉を思い出し、昨日の秋の夜長は靴磨きに没頭しました。
自分の脚を守り、大地にしっかりと据えてくれる靴に感謝を込めて。
三浦 祐士