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3.28

土曜日は16時に営業が終わる。こんなことは滅多にない。心のどこかに不安を抱えつつ、ぽっかり空いた時間に不謹慎な嬉しさもある。普段の休みって、つい何処かに行ったり人と会ったりして忙しくしてしまうけれど、家に居なさいと言われて一人で過ごすことは嫌いではない。

野菜をたくさん買ってきた。料理と言うほどのことではない。辛めのオリーブオイルと、人から頂いてからすっかりはまって常備調味料の一軍入りしたエジプト塩、あとバルサミコちょっと。葉物は洗ってこれであえるだけで立派に美味しいサラダ。台所に立つときは6ー70年代のイタリア、フランス映画のサントラやポップスを流しているとそれがスパイスになります。きっと。バゲットは、魚臭さのない魚焼き器か、フライパンでちょっと焦げ目をつけて、、、あとはご想像にお任せします。

エジプト塩のサイト

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食事が早い時間に終わったら、急に不安が頭をもたげる。いやいや落ち着いて、焦っても慌てても仕方ない。しかし癒し系の音楽に身を任せるほど性格が真っ直ぐでもない。何を聞こう。これだ。

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ペルトのTabura Rara。

LP12を買ってすぐは、レコードの中古屋さんに行ってはまとめ買いして棚を埋めようとしていた。当時ペルトという作曲家のことは露ほども知らなくてどんなレコードか想像もつかなかったけれど、ジャケットの潔さから、なにか秘めたものをもってる空気感があって、裏を見たら、この2人の名前が。

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ギドン・クレーメルと言えば有名なクラシックのヴァイオリン奏者で、キース・ジャレットはJAZZの大家。買って損はないと思ったけれど、家で聞いたら難解でそのままレコードラックのさくらLPに。

でも今日ならと、久しぶりにターンテーブルに載せてみたらちょうど気分に沿っていて、不安な状況を、和らげるでも掻き立てるでもなく、まさに状況に沿ってる…そんな雰囲気。この状況も音楽にしてしまおうという気分そのものが、人間の知恵のようで、それが気持ちを和らげるものだった。思えば音楽というものは、気持ちのフェイズを変えることのできる数少ないものの一つだと思う。タイミングと聞く曲とが状況に合えば、家の中で宇宙に行けるような経験ができる。あまりにかけ離れていてはうまくいかないけれど。

3.29

久しぶりにこの映画を観る。それいま見る?みたいな感じだけれど、私根暗なのか、この映画が昔から好きなのです。

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王妃マルゴ。イザベル・アジャーニ主演。95年。大学時代に渋谷の東急Bunkamuraでロードショーにかかっていたのを観てからの付き合い。よく見るとグロテスクなのだけれど、目を凝らして見なければラ・トゥールとか、カラバッジョの絵がそのまま映画の中に出てくるよう。絵がまこと美しい。1572年8月24日にフランスで起こったキリスト教新旧の宗教戦争、サン・バルテルミの大虐殺が舞台で、本当にたくさん血が流れるのですが、映画としてはとても良くできているのです。ちなみに日本ではこの前年に織田信長の比叡山焼き討ちがあったり、インターネットもない時代に同じようなことをやっていることに不思議を覚えます。

Bunkamuraは名画座だ!と当時そのあとも色々見たと思うのですが、ディカプリオ扮するフランス詩人のランボーが英語で詩を読むのにうんざりしたことの方が印象が強いです。「太陽と月に背いて」

王妃マルゴは名画。久しぶりに見てもよかった。

そんなこんな3日半。今日は間違えて買って、しかも間違えて開けてしまったもち米をどうしようか思案中。

(竹田)

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