8月も半ばを過ぎると、お盆休みも終わって夏の終わりを感じさせます。
今日なんか少し涼しいですしネ。
「夏の終わり」で思い浮かぶのは、タイトルそのままの瀬戸内寂聴原作の映画もありますが、サガン原作の「悲しみよ、こんにちは」。
主人公セシルを演じるジーン・セバーグのベリーショートが「セシルカット」といって当時流行ったというあの映画。
この映画をLegato店頭のディスプレイで流していますが、久々にチラ見していたら、「へぇ」と思うことが。
この映画「色」を効果的に使っています。
ひと夏の事件―大人に変わりゆく中で起こる反抗心から人を傷つけたこと、その相手が事故死してしまったことへの自責の念、もっと複雑な思いのさまざま―の後、すっかり人生の色彩を失った主人公セシル。
更に色に意味を持たせているようであれば、なおのこと面白いけどそれは深読み!?
対立しているこの2人のシーンの赤は「反抗心」?
別のシーンでボーイフレンドと海で過ごすセシルは赤い水着を着ていますが、情熱やエネルギーを表す「赤」?
上のグリーンは調和とかバランスという意味と捉えると、お父さんの彼女(グリーンのメガネ)は、セシルとも仲が良く中立的な立場をとっているとか・・・?
シーンごとに、それぞれ纏う色が異なるので、深読みしながら観ていくのも関係性や立場の変化を想像できて面白そう。
舞台が夏なので余計に感じるのかもしれませんが、事件のことでセシルが急速にパッション(色彩)を失うことが、「熱=暑さ」を失っていく夏の終わりに重なります。
「3月、別れの季節」とは違って、秋、そして冬に向かっていくからかどことなく寂しさを伴います。
「祭りのあと」というかなんというか。
でも、いい映画。
何度でも観られます。
彩り美しい割にブルーレイにはなっていませんでした。
冒頭でジュリエット・グレコ本人が登場し「悲しみよこんにちは」を歌っているのも必見。