BLOG

モノラルとステレオ、それぞれ専用に・・と組んだLP12を2台お使いのお客様が、お久しぶりにご来店。
あれ、いつもの元気がちょっとないかも??

「同じアルバムのモノラル盤とステレオ盤、両方手に入ったんで、かけてみたんすけどね・・・」
大喜びで専用のLP12に載せる。
きっとそれぞれ別の景色を見せてくれるはず・・・。

結果は期待に反するどころか、モノラル盤は管楽器の高域が抜けないし、もやがかっている。
しかもモノラル盤をステレオ用のLP12出かけたほうが音がイイ。
ステレオ専用LP12のほうが、たしかに各パーツにお金はかかっているのだけれど、こんなに違うもの?
モノラル用のLP12もアップグレードが必要ってことなの?
・・・とモヤモヤしたご気分を抱えていたお客様に、
「ハイ!LP12もアップグレードしてください!」
などとは申し上げません(笑)。

それはまず、機械じゃなくて音がおかしい。
というのはつまりアースがまわっているのです。

お客様のお宅にはご納品にも伺っているし「弊店のお勧めする正しい接続」も導入いただいています。
なので、これは弊店にももちろん非があるのですが、「・・正しい接続」は、自分たちで編み出したもので、当時わからなかったことや、他の機器との干渉で一時的に違う結論を出していたこと、あるいは後で「もっと正しい接続」になったこともあります。
(WEBアップしているのは、ほぼこれで間違いないものですが、あとから修正していることも。修正した場合は別の色で書き込みしています)

とりわけLP12については、内部のアース(アーム、サブシャーシ、底板、内部の縦に渡したアルミのバー)の取り方が年代によって変わったりしているので、それも含めて私たちも検証してきており、MAJIK電源、LINGO4やRADIKALの電源アースは戻していない時代もあったりしたのです。

お客様のご納品したのはおそらく丁度その頃だったらしく、現在の接続を口頭で確認し、試してみていただきたいことをいくつか書き出して、アース戻しケーブルをお渡ししました。

ちなみに、「ステレオ専用のLP12が良い」というのはおそらくモノラルと比較しての相対評価。
アースがまわるというのは、システム全体においてで、何かが一つだけ良いということはないので、こういう場合ステレオの方も絶対に「かなり」良くなるはずなのです。
それが一番わかるのは、まず接続をシンプルにしてみること

お客様にお願いしたのは下記
=====
①モノラルLP12のライン(電源、フォノイコライザーなどすべてのケーブル)を一旦外します。
その時点で一度音を聞いてみる。
※この場合、電源を抜いただけでもインターコネクトケーブルが繋がっているだけでアンテナになってしまい干渉するので、
外す機械のケーブルというのは、完全に取り外します。

② 更にステレオLP12の電源アースをプリアンプに戻すなどして、①より音が良くなることを確認する。
③ 実感したらモノラルLP12のラインを再接続して、電源アースについてまた試してみる。
======

数日経ってお電話口から今まで通り元気いっぱいのお客様の声。(いつもより弾んでいたかも)
「モノラルのラインを外してみたら、まずステレオLP12もめちゃくちゃよくなったので、これまでおかしかったことがわかったんです。それで言われた通りに接続してみたら、ステレオもモラルも遜色ないくらいによくなったー!!!よかった!」

お客様の声にこちらの気持ちも晴れ晴れするようでした。
(竹田)

コメントは利用できません。